ALO編
六十三話 Link start
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界がひび割れた──
「あン!?」
いきなり周囲の映像が乱れ、モザイクとノイズに周囲が埋め尽くされる。
「ちょ……おいおい……」
そして世界が一瞬溶けるように崩れ落ち、直後に周囲のモザイクが無くなった……次の瞬間……
「うおおおぉぉぉ!?」
突然急速に体が落下し始めたではないか!
何もない暗闇の中を、只々……しかし明らかに仮想の重力に従っていると分かる感覚で一気に落下して行く。止まれない!
「ちょっ……とまてこらぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
ゲーム開始早々、いきなりGMを呼び出したくなったリョウだった。
────
「うおおおおおおおお!?」
物理法則に従って頭を下にしながら落下して行く中、せめて前を向こうとリョウは必死に落ちる先を見続けた。その甲斐あってか……
「げっ!?」
落ち行く先に小さく地面が見える。森だ!
本当はせめて水が良かったのだが、そんなに甘くないらしい。
「クソッ……たれぇ!!」
全身を一斉に動かし、空中で反動を付けて足を地面に向けるための努力をする。そして地面に対して足が平行になったかならないかと言う所で……
ドズンッッ!!
と言う地面を揺るがしそうなすさまじい音と共に、リョウは地面に着地した。
「ぐおお……」
分かってはいたが、それなりに衝撃来た。痛くは無いが、しびれの様な感覚が両足にジーンと響く。
「ったく……何なんだっての」
周囲を見渡しながら、何とか着地のまま固まっていた身体を動かす。
どうやら、かなり深い森の中ようだ。周囲には深い草むらと、樹齢何年あるのか分かりゃしない様な非常に高い木が何本も立っている。
どうやら夜らしく、巨木の枝に生える木の葉の間からは星屑と軽く月灯りが見えて居た。
周囲からは虫たちの歌声や、梟の様な鳥の鳴き声が聞こえ、狼の遠吠えも遠くから聞こえる。空気には、草木の青々しい匂いが付き、全身を軽い風が洗う。
「ふぅ……ただいま……ってか?」
それら全ての持つ現実以上の現実らしさが、リョウに自分が二年間の間暮らしていた世界に彼が戻って来た事を確かに告げて居た。
そんな感慨にふけっていると……
「フムグラファ!!」
近くの草むらから、やたらと長いくぐもった悲鳴が聞こえた。
一体何なのだ。もしや実はアナウンスの言っていた事は全て嘘で、これがALO流の新米に対する歓迎なのだろうか?
そんな事を思いつつ、声の下草むらの方へと向かうと……何やら黒い服を着たプレイヤーが地面に頭から刺さり、犬神家な事になっていた。
「……やれやれ」
取りあえず突き出している足を掴んで、倒れる前に引き抜く。眼を回したように放心していたのは、黒髪ツンツン頭で黒を基調とした装備の少年だった。装備の
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