第七話 九階その六
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スタントのピルグリム=ファーザーズ以来のワスプという存在はその比率は少なくなってきている。大統領にしろアイゼンハワーはドイツ系でありケネディ、ニクソン、レーガン、クリントンはアイルランド系である。またユダヤ系だけではなくアフリカ系やヒスパニック、イタリア系、アジア系の高官も実に多い。政府ですらそうであるしアメリカ社会は実に雑多なのである。
「ユダヤ系はな」
「そのユダヤなんだな」
金髪はあらためて述べた。
「これってな」
「そうだよ。けれどね」
眼鏡はここで少し溜息をついた。
「うちの学校にはいないからね、ユダヤ系の人は」
「探せば一人はいるんじゃないのか?」
金髪は少し楽観的に述べた。
「これだけ留学生もうじゃうじゃいる学校だからよ」
「いたとしてもこれ古代のヘブライだよ」
しかし眼鏡は今度はこのことを指摘したのだった。
「古代の。それに必要な知識だってね」
「あまりにも専門的だな」
「そういうこと」
今度は牧村の言葉に対して頷いてみせた。
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