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リリカルってなんですか?
空白期(無印〜A's)
第二十三話 裏 前 (アルフ、デビット、なのは)
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ち分からなかったが、喉の奥に刺さった小骨が取れたような気分だった。

「それじゃ、今から勉強して、ショウちゃんが帰ってきたら驚かせてましょうか」

「私、平仮名は全部書けるようになったよっ!」

「そう、なら、今度はカタカナね」

 そういいながら、翔太の母親はアリシアの手を引っ張って別の部屋へと消えていった。おそらく、最近勉強している読み書きの練習だろう。言葉は何とかなってもさすがに読み書きぐらいは練習しなければならない。本来なら面倒だと思うのだろうが、幸いにしてアリシアにとって学ぶということは苦痛ではないらしい。もっとも、翔太に褒められるというのも、嫌いではない要因だろうが。

「さて、あたしはなにするかね?」

 一方で、アルフはあまり勉強が好きではない。そんなことよりも、オオカミ形態になって日向ぼっこでもしたほうが時間的には有意義だと思っている。しかし、翔太の母親にはアリシアの相手をさせておきながら、自分が悠々と日向ぼっこしているというのは気が引ける。向こうがそう思っていないにしても、アルフは居候であることには代わりがないのだから。

「……アキの相手でもしてあげようかな」

 アルフたちが着てから歩けるようになっていた秋人は、目を離すとすぐにどこかへ行ってしまう。好奇心は旺盛なようで、柵がついたベットから離れるとヨチヨチと歩き出すだのだから気が抜けない。翔太の母親はアリシアの相手をしている。ならば、秋人の相手を自分がするのは間違いではない。

 そんなことを考えながら、アルフは秋人のベットがある部屋へと足取り軽く向かうのだった。



  ◇  ◇  ◇



「しかし、翔太くんは相変わらず面白いな」

 真昼間から日本酒をお猪口で呷りながら、上機嫌な声で笑いながら夫であるデビットが言うことに梓・バニングスはゆっくり微笑んでいた。それは、梓も同意見だったからだ。

 おそらく、デビットが言っているのは先ほどのことだろう。

 渋る自分達に対して、一緒に行きたい愛娘であるアリサ。意見の違う二人の真っ向対決だった。ここで、巻き込まれた普通の小学生ならば、アリサの味方をするか、あるいは焦れて、アリサを連れて行ってくれるだろう、と見越していたのだ。それが、まさか、折衷案を作って提示してくるとは思わなかった。しかも、目線だけとはいえ、了承まで取ってくるとは。

 梓とデビットが翔太と出会っている回数というのは実はさほどあるわけではない。当然といえば、当然だ。家が近所というわけでもないし、翔太が英会話でアリサの家にお邪魔しているとはいえ、極めて常識人である翔太が日が暮れた後、長々と友人の家に、しかも、異性の家にいるわけがない。よって、出会ったとしても、偶然、梓が定時で帰れる時間や日取りが合わず
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