空白期(無印〜A's)
第二十三話 前
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ジュエルシードを巡る事件の解決から二日が経っていた。
つまり、今日は、事件の打ち上げの次の日であり、アリサちゃんから誘われた温泉旅行の出立日である。我ながら、事件が解決してから二日しか経っていない強行軍で、しかも、事件でプレシアの使い魔にボコボコにやられていただけに母さんと親父からは心配されたが、怪我に関してはユーノくんとアースラの医務局の人からは太鼓判を貰っているし、昨日の夜にアリサちゃんからの時間などの確認のメールに『楽しみにしているね』と返信してしまったのだからしかたない。
そもそも、温泉旅行をあれだけ楽しみにしていたアリサちゃんとの約束を守らないわけにはいかないだろうし、僕だって楽しみにしていたのだ。怪我も完治している以上、行かない理由は何所にもなかった。そんな理由で母さんと親父を納得させることに成功した。
しかしながら、最大の敵がまだ我が家には残っていることを僕はすっかり忘れていた。そう、新しく家族になった妹のアリシアちゃんだ。
事件が解決してから、母さんか僕にカルガモの子どものようにくっついて回るアリシアちゃんだっただけに、僕が二日以上も家にいないというのは不安になるようだ。確かに事件が終わってから二日しか経っていないのだ。アリシアちゃんが不安なのは仕方ないのかもしれない。
しかしながら、僕が一緒に行くことすら彼女の好意によるものなのだ。それをさらにアリシアちゃんの分まで頼むことなどできやしない。父さんたちが僕と同じ場所に泊まろうにも、このゴールデンウィークの最終日に近いところで旅館に飛び込みで泊まれるはずもない。よって、アリシアちゃんはお留守番するかしないのだが、それを説明した後のアリシアちゃんの泣き顔が実に罪悪感を感じさせてくれた。
それを何とか振り切り、お土産を買って帰ってくることやかえって来た後のことを色々と約束して、何とか我慢してもらえることになった。アルフさんが僕とアリシアちゃんのやり取りを見ながら苦笑していたが、助けてくれてもいいのにと思ったのは、至極当然のことだと思う。
何にせよ、温泉に行くために問題がなくなった僕は、玄関の前でアリサちゃんの迎えが来るのを待っていた。待っているのは、僕と母さん、親父だけだ。アリシアちゃんは拗ねてしまったのか、寝室で引きこもっている。もっとも、アルフさんがいるからあまり心配はしていないが。
昨日は納得してくれたはずなんだけどな。
出る前に一言声をかけておいたが、返事はなかった。帰ってきたらフォローがかなり必要になるだろう。お土産も奮発したほうがいいかもしれない。
そんなことを考えていると約束の時間よりも五分前にピンポーンというありふれたチャイムが鳴る。おそらく、アリサちゃんたちだろう、と予想を立てながら、僕
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