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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#13 "Rock decides it is high time for a show-down"
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を感じる。もっとも阻んでいる側にタイ産まれの人間は誰一人居ないわけだけど。
そうした海外企業の計画は悉く水泡に帰す。悉くだ。一つの例外もなく。それも徹底的に。
殆んどの場合はそういう情報が入り次第、計画を未然に潰すそうだ。それはもう様々な方法で。
それでもごく稀に勇敢な、或いは無謀な経営者がこの街に自らの信念と情熱を懸けて施設を建てる事もあるそうだ。
それらは操業まで漕ぎ着ける事もあるし、それ以前に他の数多の先人達と同じ道程を歩む事もあるらしい。
土砂が積み上げられたままと言う事は、後者の方なのだろう。
再開発でも狙っていたのか、或いは別の狙いがあったのか。今となっては全く分からないが。
「レヴィ もう一度言うよ。君は格好悪い。潜水艦の中で君の話を聞いてから、ずっと考えていて出した結論だよ」
俺は腹に力を込めて再び語り出した。レヴィは腕組みしたまま俺を睨んでる。
口にくわえられた煙草は殆ど灰になってしまっているのに、気にもしていない。
新しい煙草に火を点ける訳でもなく、吐き捨てようともせずに俺を見据えている。
………レヴィの視線と俺の視線が交錯する。
彼女とこうして正面から向かい合うと正直恐ろしくて堪らない。身体の奥底に刻み込まれた"何か"が、俺の心に突き破りそうな痛みを与えてくる。
レヴィ、なんだな。
彼女はアニメや漫画のキャラクターなんかじゃない。
スクリーンの向こう側で活躍する登場人物なんかじゃない。確かに俺の目の前に存在していて、確かにこの世界で生きている。
時に法に触れる仕事もする運び屋で、人殺しも躊躇わない。納得がいかなければ"仲間"にだって銃を向ける。
俺が今まで見た事もないような女で、出会うなんて想像も出来なかった。
一緒に仕事をするようになってからも、とても踏み込めなかった。彼女の世界に。彼女の内側に。
知ろうともしなかった。彼女がどんな人間なのか、彼女が何を考えているのか。
それでいいと思っていた。
彼女の過去を知らなくても。彼女の現在を知らなくても。
憧れていた。彼女の勇姿に。彼女の艶姿に。
………それじゃあ駄目だったんだ。
見たいものだけを見ていては。見たくないものに目を塞いでいては。
それじゃあ何も変わらない。
俺は"ロック"だ!
俺は"ロック"なんだ!
岡島録郎はあの時死んだんだ。
ゼロは言った。"いつか"なんて日は永遠に来ない。
"いつか"ロックになる日なんて来ないんだ。ただただ待っていれば自分が変わっていく なんて考えるな!
その為にもレヴィから逃げるな。憧れなんて綺麗事は捨てろ。彼女に真正面からぶつかれ。
「何でそんなに金に固執する?そんなに力が欲しいのか。そんなに弱い自分を認め
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