第六話 大天その十八
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「これなら・・・・・・俺は」
「くっ!」
「貴様に勝てる」
こう言ってやまちちの胸を貫いた。激しい、焼けるような痛みが彼女の胸を襲う。
「ぐうっ、先程までと全く違う!?」
「大天使の力だ」
また言う髑髏天使だった。
「これがな。この力なら倒せる」
「私を倒せるとでもいうのかしら」
「さっきから言っているがな」
そしてそれを否定することはないのだった。
「このことはな」
「おのれ・・・・・・」
「少なくとも俺の精気を吸うことはできなかったな」
このことをはっきりと告げた。
「貴様にとっては残念なことにな」
「・・・・・・まだよ」
しかしそれでもやまちちは諦めてはいなかった。
「まだ。私は」
「やるというのか」
「魔物のルールを教えてあげるわ」
喋るその口からは血が溢れ出てきている。胸の傷からによるものであることは明らかだった。だがそれでもやまちちは言葉を出すのだった。
「命を惜しまない」
「命をか」
「そうよ。何があっても」
「そうか」
「ええ。だから今も」
口と同じく紅くなってしまっている目で見据えていた。
「決して。諦めないわよ」
「では来い」
やまちちの胸から剣を抜いた。血が零れ出るが勢いは強くはなかった。どうやらそこまで深く突かれたものではなかったらしい。
「決着をつける」
「精気は後回しでいいわね」
やまちちは己の傷を考慮してこう判断したのだった。
「それよりも」
「まずは俺を倒すのか」
「そうよ」
既にその言葉には余裕が消えていた。
「それからよ。精気を貰うわ」
「できればな」
再び両手の剣を構える。右を攻めに、左を守りに置いている。
「俺とてそう簡単にやられるつもりはない」
「なら・・・・・・!」
話を聞く前に動いていた。やまちちはその両手の爪を斜め上から下ろしてきた。
「これで・・・・・・!」
「むっ!?」
「引き裂いてあげるわ!」
言いながらまた襲い掛かって来た。
「これでどうかしら!」
「そう来たならば」
髑髏天使はその爪を冷静に見ていた。そうしてまずは左手のサーベルを動かしてきた。
「サーベル!?」
「剣にはそれぞれの使い方がある」
逆手に持っているそのサーベルを使いながらの言葉だった。
「時には守り」
まずは彼から見て左から来る爪をそのサーベルで受ける。下から振り上げる形だったので爪は思い切り弾き返された。それを受けてやまちち全体のバランスが崩れてしまった。
「しまった!?」
やまちちは身体のバランス自体を崩したことにより左の爪の動きも乱してしまった。何よりも身体をのけぞらせてしまった。それが致命傷になった。
「時には攻める!」
「ぐっ!」
「このようにしてな」
今攻撃を受け
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