SAO編
四十八話 路地裏の徴税(恐喝)隊
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が合って、幾ら誰かを切りつけても「切る側」が犯罪者カラーに落ちる心配も無い。
そしてこれを利用した物で、ギルドなどでよく行われる訓練に《圏内戦闘》と呼ばれる物が有る。
即ち、武器を当てても見えない壁に阻まれる圏内で、安全、かつ限りなく実戦に近い形での戦闘をするというものだ。
そしてこれ、慣れていない新人ギルドメンバーや、一般人には結構怖い。
何しろスキル値や攻撃の威力が高ければ高いほど攻撃命中時に被害者の身体直前で起きるライトエフェクトは派手になるし、威力によってはノックバックも発生するのだから。
今回重要なのはこのノックバックで、先程までの冷裂の叩きつけ、実はすべて重単発ソードスキルである、《剛断》を使用して行われていたのだ。
《剛断》は薙刀のスキルの中でも一撃の威力の高さがかなり上位に入るソードスキルであり、リョウも良く使用する。
そして威力によってノックバックの大きさが変化する中、他ならぬリョウによって放たれたその一撃を受けた軍の男は──
「ぎっ!」
──ものの見事に、二、三メートルの距離を吹き飛ばされた訳である。
ちなみにキリトが溜息を付いたのは、以前キリトの前で同じ事をしたからだ。
「ったく、話がなげぇよ」
面倒臭そうに冷裂を肩に担ぎなおし、呟くリョウの後ろで、相変わらず子供達は唖然としている。彼らが何を思っているのかは分からないが、少なくとも彼等の眼前の状況が少々本人達の常識を超えた状況で有る事は確かだろう。
「て、てめぇ……!」
「どうしても『軍』を敵にしてぇらしいな……!」
リーダーがやられた事で逆上したのか、今度は後ろに控えていた男達が次々に己の武器を抜く。
西日に照らされ、いくつもの刃がギラギラと凶暴な光を放つ様子はサーシャや子供たちにとっては恐ろしい事この上無かったが、その刃を向けられた先に居る男にとってはそうでもないらしく、あくまで余裕な様子を崩そうとはしない、否、むしろ楽しそうにすら見えた。
「敵……ね、そうだな。あの教会に手ぇ出すってんならまぁ……俺っちはちょいと、私情によりアンタらの敵に回らせてもらおうか?」
「それ、私も乗った」
「じゃ、俺も」
ニヤリと笑ったリョウの後ろに二つの人影が新たに降り立ち、軍の男達は何時の間に頭上を乗り越えられたのかと動揺する。
降り立ったのは当然、キリトとアスナだ。
キリトはユイを抱えた状態なので少々間が抜けているが、アスナは既に愛用の細剣、《ランベントライト》を抜剣している。
目もまるでキリトと出会う前……《狂戦士》と呼ばれていた時代に逆戻りしたかのように、爛々と闘いに餓えた光を放つ。完全に戦闘モードだ。
「助太刀させて。構わない?」
「っは……オッケ」
確
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