SAO編
四十五話 拾われた少女
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ョウはそう言う。というか、アスナとキリトがパパとママなら、自分はどうなるのかと言うのが興味があった。
あらかた予想は突くが……
「…………」
暫くユイはまた難しい顔をして考え込んでいたが、やがて思いついたらしく、少しばかり緊張した面持ちで口を開いた。
「さちは……ねーね」
それを聞いた瞬間、サチの眼がキラキラと輝く。
現実に居た頃、リョウ達と共に居たもう一人の幼馴染を思い出したのだろうか?
『となると……パターン的に俺は決まって来るな』
なんだかんだで、そう呼ばれる事が多いな。などと思いつつ、リョウはユイの言葉を待つ。やがて……
「ようは……」
「おいちゃ」
「Why?」
そう来たか。
────
「そう落ち込むなって、兄貴」
「別に落ち込んでやしねぇよ。ちょっと悔しかっただけだ」
結局ユイの四人への呼び方は、
アスナ=ママ
キリト=パパ
サチ=ねーね
リョウ=おいちゃ
で確定した。リョウとしては大いに不本意だったが、本人がそう呼ぶし、何でも良いと言ってしまった以上どうしようもない。
今は、サチとユイが、白いパフスリーブのワンピースのみと言う、冬も間近なこの時期に出かけるには少々寒すぎる恰好をしているユイの着替えを自分の持ち物の中から探している。
一応、サチもアスナに言われて自作の着替えを持ってきてはいたのだ。
と、テーブルの上に衣服類を山と積んだサチとアスナが困っているのを見て、キリトが何かを察したようにユイに近付いて行き、アイテムウィンドウを開けるかを問うた。
自身も右の指を振ってお手本を見せる。
ユイはたどたどしい手つきではあるものの、右指を正しく振ったが……特に何かが表れる事は無かった。
「おいおい、まさかバグってんのか?」
「そうかも……でもこれじゃ、何にも出来ないな……」
リョウとキリトが真剣に話し始める。と、向きになって指をぶんぶんと音がなりそうな勢いで指を振っていたユイが、何を思ったか左指を振った……途端、ユイの前に紫色の四角いウィンドウが発現した。
「でた!」
嬉しそうに言うユイだったが、他四人はもう何が何なのか分からない。と言った様子で一瞬呆然とする。
が、すぐに気を取り直し、アスナとサチはユイの後ろに回る。恐らく、ユイの指を使って、覚えている可視モードのボタンを押そうと言うのだろう。
ウィンドウの呼び出しを、右手から左手に帰るオプション設定などあっただろうか?
そう思い、リョウが自身のウィンドウを開こうとすると……
「わぁ!?」
「な、何これ!?」
そんな声が上がり、二人の動きが止まる。
隣に居たキリトと共にユイの後ろに回り、彼女のウィンドウを覗き込む……途端、二人も息をのんだ。
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