第六話 大天その五
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「まあ簡単に言うならそれは強さのレベルじゃな」
「レベルか」
「これもその時の髑髏天使で変わるもかもな」
考えながらの言葉が続く。
「キリスト教以前と以後でな」
「俺はキリスト教は知らないが」
牧村はこのことを告げて疑問符としてきた。
「それでも。反映されているのか」
「ああ、ここは少し違う」
「違う!?」
「うむ。大天使とかは文献にある話じゃ」
牧村自身のイメージとはまた別だというのである。
「これはな。おそらく髑髏天使本来の能力をキリスト教風に解釈したものなのじゃよ」
「そうなのか」
「それで大天使とかいうのじゃ」
こう牧村に話す。
「おそらくランクは九つじゃな」
「天使の階級だけか」
「天使は階級が一つ違えばそれで全く違ってくる」
博士はこのことをこれまでより強い言葉で語る。
「上級の天使ともなれば他の宗教では下級の神にも匹敵する程じゃ」
「神か」
「そう、神じゃ」
牧村の目を見て述べる。
「神にも等しいまでにな」
「そこまでいくと話がわからないが」
「まあ今はそれ程わかる必要もない」
「わかる必要もない?」
「というよりかは」
ここで言葉を言い替える博士であった。
「考えても仕方ないことじゃ」
「それはまたどうしてだ?」
「文献をまだ解読しておるところじゃぞ」
博士はまた木簡とパピルスを指し示す。
「ここに書かれておることがまだ解読できてはおらん」
「だからか」
「そうじゃ。だから仕方のないことじゃ」
彼は言う。
「今はな。楽しみは少しずつ待っておくとしよう」
「わかった」
「それよりもじゃ」
また話を変えてきた博士であった。
「また魔物が出て来るぞ」
「来るか」
「間違いなく来る」
今度は断言だった。
「もうすぐな」
「今度は何が根拠でわかるのだ?」
「そういう気がするだけじゃがな」
明確とは到底言えない根拠であった。
「まあ勘というやつじゃよ」
「勘か」
「別に疑ってはおらんようじゃな」
牧村の目を見つつ問うてきた。
「今のわしの言う根拠には」
「闘いにおいて勘は必要不可欠なものだ」
それがなくては生きていくこともできない。闘い抜く前に倒されてしまう。そうした世界に身を置くようになってしまったからこそ頷くことができたのである。
「だからだ。それはな」
「左様か。やはりな」
「だとすれば何処で遭うからな」
彼が次に思うのはこのことだった。
「それ次第だが。相手もな」
「そういえば今までは人型の魔物ばかりだったそうじゃな」
「そうだ」
これはその通りだった。彼が今まで出会った魔物はどれも二本足で立ち二本の手を使っていた。だから普通に対峙することもできたのだ。
「じゃがそうともばかりが限ら
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