第五話 襲来その十一
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もう来ていたのか」
「丁度暇だったしね」
牧村を見下ろして笑っていた。鉄筋の橋の上に腕を組んで脚を閉じて立っている。
「だからもう来ていたんだよ」
「暇だったのか」
「うん、ゲームもクリアしたしね」
「ゲームをか」
「それにこのゲームの方が面白いみたいだし」
口の両端を吊り上げて笑ってきた。
「だからね。余計にね」
「そうか。ではゲームを」
「はじめる?もう」
「その為に来た」
烏男を見上げつつ言葉をかえした。
「その為にな」
「いいねえ。その言葉」
烏男は己の背に太陽の光を感じつつ述べた。それは夕陽であり赤い太陽が輝いている。赤い太陽にはもう熱はなくただ彼を背中から照らしているだけである。長い影が青いアスファルトの上に描かれている。それは牧村の影もまた同じであった。橋の鉄筋の影もそこにある。
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