第五話 襲来その二
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がいるんだ」
烏の目が細まっている。今度は目で笑っていた。
「仲間って言うには随分と偉い方だけれどね」
「偉いだと」
「ああ、このことについて答えるつもりはないからね」
今の髑髏天使の言葉には答える素振りは見せなかった。
「悪いけれどこちらにも事情があるんだよ」
「貴様の事情は俺にはどうでもいいものだがな」
「話がわかるね。じゃあ」
あらためて彼に声をかけてきた。
「この黒い羽根。どうやって避けるの?」
「避けるか」
「そうだよ。言っておくけれど僕の羽根は鋭いから」
声も笑ってものになっていた。
「当たれば死ぬよ。幾ら鎧を着ていてもね」
「避ける必要はない」
髑髏天使は静かにこう答えたのだった。烏男と彼の羽根を見つつ。
「この程度ではな」
「この程度ねえ」
「そうだ」
言いつつ右手に剣を出してきた。
「これでな。こうするまでだ」
「んっ!?」
「俺を甘く見ないことだ」
この言葉と共に剣を振るいだした。そうして烏男の黒い羽根を次々と払い落としていく。その剣捌きは以前にも増して速く鋭いものになっていた。
瞬く間に全て払い落としてしまった。これにより難を逃れた髑髏天使であった。
「この通りだ」
「やっぱり凄いね」
「大したことではない」
今度は髑髏天使が自信を見せるのだった。
「さっきも言ったがこの程度で俺は倒せない」
「確かにね。それじゃあ次は」
「どうするつもりだ?」
「少し本気を出させてもらうよ」
その言葉と共にまた背中の羽根に手をやる。そこから一枚の羽根を毟り取る。するとそれは今度は弓になったのだった。漆黒の巨大な弓であった。
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