SAO編
十七話 あれは所謂──
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−《マイナス》45パー(%の意)」
「……マジで教えてくれると思わなかったよ」
確かに、本来なら貴重な情報をただで教えるなど、たとえ義弟でも絶対にしないのだが……
「そうか?……まあ今日は機嫌いいからな」
「こりゃマジで天気に感謝すべきだな」
「いや、俺に感謝しろよ」
「おっと、失敬」
「おいおい……」
苦笑いしつつそんなのんびりとした何気ない会話の応酬を繰り返す。
いや、ほんとに良い天気だ。
そうして、会話が途切れ、暖かな陽気に段々と二人共うとうととし始める。と、
『ん?』
キリトの頭のすぐ横の芝生を、ブーツか何かが踏んだ音がした。
と思った刹那、聞き覚えのあるキツイ声が頭上から降ってくる。言うまでも無くアスナである。
「攻略組の皆が必死に迷宮区を進んでいる時に何のんびり昼寝なんかしてるんですか!こんな所で時間を無駄にする暇があったら少しでも迷宮を攻略してください」
昨日も聞いた声が再び俺の上で響くのに対し、こりゃなんかいい訳すべきかと俺が口を開きかけた時、隣に居たキリトが一瞬早く切り返した。
「今日はアインクラッドで最高の季節で最高の気象設定なんだ。こんな日に迷宮にもぐっちゃ勿体ないだろ。」
冷静な、のんびりとした調子の声。
対し、アスナの声は少しむっとした様なものだった。
「天気なんて毎日おんなじです」
いや、断言したとこ悪いけど全然違うんだよこれが。
そう突っ込みたかったが、此処はキリトに任せることにする。
結果からいえば、キリトは期待を裏切らない提案で返した。
「じゃあお前も此処に寝て行けよ。そうすりゃ分かるさ」
この提案、始めはアスナの事だがら即答で断るだろう、と思っていたのだが……
少し目を開けてアスナの顔を見ると、どうするか迷っている様な表情を見せていた。
これは、面白い。
即座に俺はキリトの後押しをする。
「良いじゃん。昨日言ったろ?たまには休め。俺はまた買い物行かなきゃならんのでな。失礼。」
此処は二人だけにした方が面白いだろう。なるべく自然な流れを装って、俺は此処から立ち去る事にする。
後ろから、「情報サンキューな」と言う声が聞こえたのに後ろ手を振って返し、俺はその場を離れた。
少し離れてから振り向くと、アスナが取り巻きのギルメンを先に行かせて、キリトの横に寝転がる姿が見えた。
さてさて?こりゃ本当に面白くなってきたな。
────
さて、あれから俺は、普段はあまりのんびりと出来ない買い物や旨い物(正確には甘い物)探しをたっぷりと楽しみ、ホクホク顔で家へと戻る事とした。
「いやぁ、実に良い休日だった。」
心からそう呟き、俺は朝も来た主街区の中をとことこと歩く。
何故と言われればこの階層、北にも中央通
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