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髑髏天使
第一話 刻限その五
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ねえ博士」
「何かわかったの?」
「んっ、まあな」
 見れば博士の周りに無数の影が集まっていた。それは大きいのも小さいのもあり無数に存在していた。その影達が彼に対して声をかけていたのだ。
 そして博士もそれに応える。その本を開いたまま。
「わかったぞ。やはりあの時と同じじゃ」
「あの時と同じなのね」
「うむ」
 博士はその影達に対して答えていた。
「全く同じじゃ。本当にな」
「そのことはこの時から書かれていたのね」
「五十年に一度」
 博士は言う。
「現われるとな。この時から同じじゃったのう」
「あの時だけじゃなかったんだ」
「あの時。そう」
「五十年前だよね」
 影達は博士の周りで口々に話していた。それは人間には見えなかった。人間以外の存在が話しているようにしか見えなかった。
「その時には確か」
「ああ、それは言わない約束でしょ」
「おっと、御免」
 影達の間での話であった。
「御免ね、デビル博士」
「これからは言わないよ」
「わしはいいのじゃがな」
 彼は別に構わないようであった。
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