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少女1人>リリカルマジカル
第四話 幼児期C
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出されるのは、息子が上層部の頭に誤まってバケツを転移させてしまったことや、上層部の食事に誤まってタバスコを転移させてしまったこと。

 さらに、夫の背中に誤まって転移して空中突撃をしてしまったことや、上層部の服を誤まって転移させて素っ裸にしてしまったことなど、息子の失敗談が溢れるように出てくる。


 ……果たして本当に誤作動だったのか疑問に思うほど、被害が集中しているが。この時の加害者の少年は一言「ワザとじゃない、俺2歳児だよ。頑張って出来るようになるから」と弁解し、釈放、再犯ループ。さりげなく反省した態度をみせるため、大人も怒鳴れない。相手の沸点を見極める2歳児。えげつない。

 ちなみに、昔母親があまりの仕事量で体調不良になりかけた時があった。とある1人の子どもが上層部の人間を見ながら、「あいつら、そういえば育毛剤とか使っていたよな…」とボソッと呟きながら、とある薬液を片手に持って、薄く笑っていたらしい。それから数日後、上層部の何人かの頭の上がなぜか非常に風通しがよくなってしまい、ショックで寝込んでしまったのは余談である。



 プレシアはベランダから見える駆動炉を眺める。未だ建設途中だが、駆動炉の中核はほとんど出来上がった。もちろんまだまだエネルギーの調整や魔力の運用などの研究が必要であり、とてもではないが完成まであと数年は確実にかかる。それなのに、上層部の都合で厳しくなるスケジュールには、想定よりも早い完成が目指されていた。

 彼女はそれに不安を覚える。開発者として、もっと念入りに開発を行っていくべきだと考えているからだ。これほどの大型の魔力駆動炉なのだ。もしも、を思えば不安にならない方がおかしい。だが、それを上層部が取り合ってくれることはないだろう。

 思考が暗くなる自身に頭を振る。ここで憂鬱になっていても何も変わらない、とプレシアは朝ごはんをテーブルへ運び、エプロンをはずす。なによりも、こんな表情を子どもたちに見られたら心配させてしまう。


 そこまで考えて、プレシアは未だにその子どもたちが起きてこないことに気づき、疑問を思った。アルヴィンが大抵先に起きて、このぐらいの時間になったらアリシアと一緒に起きてきてくれるからだ。だが、今日は一段と冷える日のため、温かい布団で寝入ってしまっていても仕方がないのかもしれない。

 プレシアはそんな2人の寝顔を想像し、柔らかく微笑んだ。きっと寝室の扉の向こうには、あどけない寝顔の兄妹がすやすやと眠っているのだろう。寝かしてあげたいとも思うが、時間が迫っている。彼女は寝室に向かい、2人を起こすために扉を叩こうとした……が。


「お兄ちゃん、ずるい! 転移ずるい! さむいーー!!」
「ふはははは! お兄ちゃんのお布団を奪うなんざ、10年早いわ!」
「私
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