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髑髏天使
第一話 刻限その四
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「飲んで運転したらそれこそ」
「犯罪よ」
 応じる母の言葉もまた真剣なものであった。今度はふざけてはいない。
「言っておくけれどうちの数少ない誇りは」
「道を間違った人間は出していない。それだな」
「そういうことよ。そこは覚えておきなさい」
「わかってるさ。ところで」
「未久ね」
 妹の名前が出た。
「迎えに行ってくれるのね」
「サイドカーで迎えに行くと喜んでくれる」
 それが迎えに行く理由だった。意外と妹思いであるのかも知れない。
「だから。行って来る」
「悪いわね。お父さん帰り遅いし」
「部長になって余計に帰りが遅くなったな、本当に」
「それは仕方ないわよ」
 また笑顔になって息子に述べた言葉だった。
「偉くなればそれだけ仕事は増えるものよ」
「風来坊じゃ駄目か」
「少なくとも」
 少しお説教するような顔になっての言葉だった。この辺りは母親らしいと言えた。
「今のあんたみたいなのじゃ駄目ね」
「俺は俺なりに真面目にやっているんだがな」
「協調性を持ちなさい」
 声にも少しだけだが厳しさが入っていた。
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