第三話 日々その八
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うのだ。
「強い敵をな。倒すのが好きなのだ」
「強い敵をか」
「はっきりと言っておこう」
厳然とした言葉になってきていた。
「今の貴様では俺の相手にはならない」
「まだ言うか、この俺を」
「己を知ることも実力のうちだと言っておこう」
怒りを覚え前に出ようとしてきた彼に対してまた言うのだった。
「それだけだ。ではな」
「また会うのだな」
「そうだ」
姿を消しつつまた告げたのだった。
「またここに来るのだ。強くなったその時にな」
「わかった。ではまた来る」
蛇男を見据えながら語る。
「貴様を倒しにな」
「そうだ。また来るのだ」
姿は消したがそれでも声は聞こえていた。
「またな。その時にこそ強くなって来るのだ」
「わかったと言っておこう」
その場に立ったまま姿を消した蛇男に告げる。
「今はな」
蛇男の気配は完全に消え髑髏天使だけが残った。彼はただ一人そこに立ち尽くしていた。牧村に戻った時その顔には苦々しいものが満ちていた。その顔で誰もいない緑に囲まれたハイウェイに立っていたのだった。その苦い顔のままで。
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