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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
chapter 03 : fighting
#12 "are you serious?"
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が俺達と共に来るというなら、俺はお前を守ってやる。全力でな。
何の保証も安心も与えてやれんが、それで良ければだがな。
これから俺はしばらく離れる。お前とレヴィの二人だけだ。その方が色々話し易いだろう?
話せよ、アイツと。
勿論どうするかはお前の自由だ。お前が決めろ。
それじゃあな、俺は行くよ。
お前がここに残るんなら、また一緒に飲もうぜ。頑張れよ、ロック」
Side ロック
ゼロは言いたい事を言いたいだけ言って去って行った。
銃のメンテナンスをしてくれるという人のところだろうか。
しかし彼、というかアイツはどこまで
他人
(
ひと
)
の頭の中が分かるんだろうな。
俺が悩んでいる事くらいは簡単に分かるのかもしれないけど………
単純なんだろうなあ、俺。
声を掛けてくるタイミングもそうだけど、その内容もまあ良いとこついてくるよ、本当に。
一つ溜め息をつき、助手席のシートにもたれ掛かる。レヴィも、もう戻ってくるだろう。 今車の中に残ってるのは俺一人だけ、か。
ゼロは銃工房へ行ってしまい、レヴィも知り合いに挨拶してくると出掛けてしまっている。その隙を縫うようにゼロが長い話を聞かせてくれたわけなんだけど………
停まったままの車の窓から街を眺める。
ロアナプラ、海賊達の天国か。海賊達だけの天国ってわけでもないんだろうけどね。
この辺りがどういう処かは知らないけれど、街を歩く人達は皆全く普通の人にしか見えない。
実際この街で暮らして暫く経つわけだけど、所謂"影"の部分ってやつはこの街のほんの一部分でしかない。
大半の人達は別に銃を振り回すわけでもなく、当たり前に日々の生活を営んでいる。 今、目の前を通ったオート三輪のおじさんは何をしている人だろう?
向こうの通りを歩いているおばさんは買い物の帰りかな。腕に抱えている袋から覗いているのは、果物か何かかな。鮮やかな黄色の丸いものが見えている。
みんな別に怯えているわけでもなく、何かを諦めている風でもない。当たり前に生きて、当たり前に道を歩き、当たり前に店で物を買って、当たり前に隣人と話をする。
レヴィは以前この街を墓場と評した。ここはゾンビと死神が踊る死者の街だそうだ。
どいつもコイツも臭い立つ糞どもで、時折鼻を削ぎ落としたくなるとも言ってたかな。
最近はそうでもないけど本当に苛ついてるよな、いつも。
頭の後ろで両手を組んで車の天井を見上げる。
レヴィ、ゼロ、ダッチ、ベニー。
この街で出会った今は仲間と呼んでる人達。最初はただの海賊と誘拐された日本人。銃を突き付けられて、撃たれそうになって。
その後は一緒に酒を飲んで、話もして、そうかと思えば銃撃戦に巻き込まれた。
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