第十八話 力天その十七
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「そうかと思えば何十年も闘う人もいるし」
「それぞれかな、やっぱり」
「だよね」
話はそれぞれ行われるがどうしてもわかることは少ない。妖怪達にしても全てを知っているわけではない。そしてそれは博士も同じであった。
「わしも文献を全て解読しておるわけではないしな」
「だからわからないこともあるのだな」
「はっきり言えばわからないことの方が多い」
これが返答だった。
「残念じゃがな。それにまだまだ手に入れていない文献もある」
「それもか」
「そうなのじゃよ。存在も知らない文献や資料もまたあるしのう」
結局のところわかっているところは非常に少ない。博士も妖怪達もわかっていることは非常に少なくそれが結果として牧村の思考も制限してしまっていた。
「まあおいおい集めていって解読していくがな」
「そうか。では頼むぞ」
「うむ。そちらは任せておいてくれ」
「僕達も思い出していくから」
「期待していてね」
妖怪達も言う。しかし牧村は妖怪達にはこう返すのだった。
「御前等は特に期待してはいない」
「あれっ、そうなの」
「期待していないの」
「期待はしていないが信頼はしているし嫌いでもない」
だがここで牧村の言葉はこうなった。
「御前達はな」
「信頼していて嫌いじゃないってことは」
「つまり僕達牧村さんに好かれてるんだ」
「そう思いたければそう思っていればいい」
はっきり答えることはあえてしないのであった。
「そういうようにな」
「じゃあそう思っておくけれどさ」
「それじゃあね」
そして妖怪達もそれに乗るのであった。
「さてと、お菓子も食べたし」
「後は」
ここで彼等も牧村も丁度ザッハトルテを食べ終えたのだった。後には心地よい満足感が残る。
「どうしようかな」
「何処かに行こうかな。それとも」
「どうするつもりだ?」
「いや、遊びに行くかそれとも」
「昼寝でもしようかなって」
こう牧村に答える妖怪達だった。
「考えてるんだけれど」
「どっちがいいかな」
「好きにすればいい」
牧村はそんな彼等に対して告げた。
「御前等の好きなようにな」
「好きにすればいいんだ」
「何処かに行っても昼寝をしても」
「そうだ。好きにできる時に好きにすればいい」
「そうだよな。それが妖怪なんだし」
「それじゃあ」
また牧村の言葉を聞いて述べるのだった。
「そうしようか」
「それじゃあこれでも飲んで」
話しながらあるものを出してきた。見ればそれは一升瓶だった。それと塩辛や枝豆を出してきてそのうえでまた飲み食いをはじめたのである。
「ゆっくりと寝ようか」
「そうだよね」
そう話をしながら今度は酒を楽しむ。しかし牧村は今度は眉を顰めさせてそのうえでその彼等に対して声をか
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