SAO編
五話 生物式暴走特急
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ノシシの上下の牙の間に槍が挟み込まれ、突進を受け止める。受け止めた余波で体力が一割ほど減ったが、なんとか武器防御出来たようだ。
内心、うまくいってガッツポーズ。
「なぁ!?」
「はぁ!?」
キリトとクラインが素っ頓狂な声をあげてるけど今は無視!
今俺の身体は、左右の牙の間。
鼻の目の前の位置にいるので、突進その物の威力は受けない。そのまま、俺は思いっきり踏ん張ってイノシシの突進を無理矢理押し止める。
「ぬおおおおおおおおおお……!!」
靴が火花をあげてるけど今は無視!!
そして何とか、壁で押しつぶされる前にイノシシの巨体が停止。
それでもなお押してこようとするイノシシを、何とか抑えつける。筋力値上げといてよかったよ。
さて、しかしこのままではジリ貧である。
俺も攻撃できないのだから、どちらかが力尽きるまでこの体制を続けなければならない。そして力尽きるとすれば、十中八九俺だろう。まぁそれは俺一人ならの話なのだが。
「キリトぉ!!」
「……はっ!」
まるで俺が叫ぶタイミングを狙っていたかのように見事なタイミングでキリトが背中から切りかかる。
イノシシが怯んで牙を振り上げるが、ギリギリで俺は槍を抜いているので、槍が持っていかれることも無い。そして憤って振り向こうとするイノシシに、
「ちょいと待ちな!」
そういって今度は俺が「クロス」をぶち込むそれに怯んだイノシシが今度は俺に反応すれば今度は硬直から回復したキリトが、次は俺が、という風に、互いに互いの硬直時間をカバーしながらイノシシのHPを削っていく。
その内に他のプレイヤー達も互いをカバーしながら戦い始め、途中何度か抜け出されながらも、またその方法を繰り返し、(一応学習していたようだったが、やはりイノシシなだけに突進を封じられた事は痛かったのだろう)
そして……
「……とりあえず消えとけ!!」
重両手槍 初級連発刺突技「トライアングル」
三角形を描くように繰り出される俺の突きが決まった瞬間、巨大イノシシはその身を大きく硬直させ、絶叫と共に巨大なプログラムの破片となって、その身を散らした。
「おおおおおおお!!!」
「やった!やったぞ!!」
「イャッホオオオオ!!」
そんな歓声がボス部屋を包み、戦闘は終わった。
「ふぅ……」
「超疲れたな。」
槍と剣を杖に座り込みそうな状態で立っている俺達に、近くにいたクラインが話しかけて来る。
「だなぁ、にしてもお前らは特にだろ?特にリョウなんかよ。初めは何する気かと思ったぜ?」
「それはそうだよな、いきなりあんなことするとは思わなかったぞ?兄貴。」
軽くジト目で睨んで来るキリトとクラインに俺は苦笑を返す。
「すまんすまん。伝えてる暇なんか無かったからなぁ。」
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