SAO編
四話 従兄弟同士
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いたようだ。
それはどうやら、顔の違うとはいっても見た目どう見ても人間な奴と会話するこの世界でも同じだったらしく、ベータテスト参加中は「やっぱり人と接するのは難しいな」とか、夕飯の時に俺に愚痴っていた。
そんなこいつが、四半日足らずで自分から友達と言うほどの奴なのだ。恐らく、かなり人好きのする良い奴なんだろう。
だがそれだけに、そいつを見捨てたというキリト自身の自責の念が強くなってしまっている。
ふーむ。
他人の悩みに意見を言うのだから、あまり軽々しい事は言えない。
口調はのんびりと、だが軽く見えないように相手の目を見て。
「いいんじゃねぇの?利己的で」
「え……?」
面喰ったような顔をしている従兄弟に俺はさらに続ける。
「今はもうこの世界はサバイバル、生き残り合戦の世界なんだ。生きるための選択はそいつの自由。利己的な行動なんかごく当たり前さな。ソロで行くも、チームで行くもよし。結果としてお前はソロ、クラインはチームを選んだってだけの話だろ。」
「そういう事を言ってるんじゃ……「それにだ」
何か言おうとする従兄弟の言葉を悪いと思いつつも遮らせてもらう。
「お前はそいつにレクチャーしてやったんだろ?」
「え、ああ、うん」
「じゃ、何とかなるだろう。」
ある程度知識を持っていれば、まぁ初期の混乱は生き抜けるだろう。
そして初期さえ抜けてしまえば、後は全体の流れに乗って多分何とかなるはずだ。まぁ勘だが。(後の話だが、この予想は間違っていなかった)
それはキリトも予想していたらしく、反論が少し止まる。
「けど……」
しかしそれでも何か言おうとする自分の優しい従兄弟に、俺は今度は真っ直ぐな口調で告げた。
「どうしても罪悪感が拭えねぇなら、生き残ったそいつらと会って、またレクチャーなり、一緒に狩りなりをしてみるといいさ。多分、お前の中でも元の友達に戻れるぜ。」
「あいつ等が生き残れるかはまだ……」
まだキリトの瞳は揺れていた。確かにこれでクラインとやら達がすぐに死んだらキリトはかなりショックだろう。本人もそれを一番恐れているんだと思う。
俺は、そんなキリトに断言してやった
「大丈夫だ、必ずそいつらは生き残るさ。むしろ直ぐにボス攻略なんかで嫌でも会う事になるだろうから、それまでに俺らも精いっぱい強くなっとかねぇとな。」
「……何でそんな事断言できるんだよ?」
軽く危惧するような視線を向けて聞いて来るキリトに、俺はいつも現実でも言っている答えを返した。
「……勘だ!!」
「やっぱりか。」
いつも通りのやり取り成立。
軽くならないようにと意識したのに、結局軽い感じになってしまった感じが否めない。
そんな事を考えていると、不意にキリトが自嘲気味に笑った。
「まぁ、でも、リ
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