SAO編
二話 狂い始める世界
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には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク回線切断、ナーヴギア本体のロック解除または分解または破壊の試み──以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。この条件は、すでに外部世界では当局及びマスコミを通して告知されている。ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制除装を試みた例が少なからずあり、その結果]
そこでアナウンスにひと呼吸が入る、同時に、俺はその先を無性に聴きたく無くなった、絶対に聞いてはいけないような気がした。
しかし容赦なくアナウンスは続き、俺はその先を、聴いてしまった。
[──残念ながら、既に二百十三名のプレイヤーが、アインクラッド及び現実世界からも永久退場している。]
どこかで細い悲鳴が上がり、俺はその瞬間背筋に強烈な寒気を覚えた。
該当するかもしれない例を、俺は知っていたからだ。そして俺は必死に、先程消えたそいつ……スデンリィの姿を周りを見回して探す。
皆頭上を見上げているため、顔を確認するには困らないが、それでも一万人は数が多すぎる。全員を確認するのはとても無理だ。だが俺はそこで、簡単にスデンリィの行方を知る方法に気がついた。
『そういや、フレンドリストがあったな……』
即座に俺はメニュー画面を開きそこからフレンドリストを見る操作をしようとした、が、そこで手が止まる。
言いようのない不安と、恐怖が俺の手を動かす事を拒んでいる。
あり得ない、そう思いながらも拭いきれない恐怖を無理矢理振り切って、俺は指を動かし、そして、見てしまった。
フレンドリストに唯一登録されたスデンリィの名前が、連絡不能を表すグレーに染まっているのを。
「おい……おい……」
自分の出した、悲鳴とも嘆きともつかない声が、ざわつきの中で妙に大きく聴こえた気がした。
世界が、狂い始める。
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