暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第二話 天使その十一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「とにかくじゃ。君がこれからやらなければならんことは」
「化け物共を倒すことか」
「あくまで悪い奴だけをじゃよ」
 博士はそこは釘を刺すようにして言ってきた。
「そこはしっかりとしてくれるようにな」
「化け物にいいのも悪いのもあるのか」
「今目の前におるじゃろうが」
 丁度周りの彼等を指し示してみせる。
「ほれ、この連中じゃよ」
「僕達は人を襲ったりしないから」
「それは安心してね」
 からかさと一つ目小僧が牧村に言ってきた。彼等の姿は牧村もよく知っていた。それこそ子供の頃から漫画や本で見てきた連中だからだ。
「とりあえずこうした連中と戦うことはないのか」
「その通りじゃよ」
 笑いながら牧村に答える博士であった。
「すぐにわかるじゃろ。というか人間よりもわかりやすいぞ」
「人間よりもか」
「雰囲気で一発でわかるからのう」
 博士にしてみればそうであるらしい。
「人を襲わん連中は呑気なものじゃ」
「確かにな」
 感覚ではっきりとわかるのだった。鋭さや殺気が全くない。あるのは呑気さと遊び心だけだ。子供よりもまだ無邪気なものであった。
「それはないな」
「それでじゃ。昨夜君が倒した」
「あの虎と人間の合の子みたいなものか」
「あれは虎人というのじゃ」
「虎人か」
「元々は中国の魔物じゃ」
 日本以外の国が出て来た。
「普段は人に化けておるがの。時折ああした姿になり」
「人を喰うのか」
「その通り、かなり凶暴な奴じゃよ。それを最初に倒すとはのう」
「あいつは強かったのか」
「だって虎だよ」
「決まってるじゃないか」
 妖怪達もこのことを牧村に告げる。
「強いの何のって」
「僕達だって襲いかねないし」
「そんな奴だったのか、あれは」
「そうだよ」
「それをデビュー戦で倒すなんて。かなり凄いよ」
「まあそうじゃな」
 これについては博士も認めるところであった。
「幾ら髑髏天使でものう。相手が相手じゃった」
「喰われると思ったがな」
 語る牧村の目はこれもまた正直に述べたものであった。
「あの時。その髑髏天使にならなければだ」
「死んでいたな、間違いなく」
「あの連中は自分達からも来るのか」
「というと?」
「だからだ」
 博士に対して言う。
「化け物共は俺に対しても向かって来るのか」
「向こうも髑髏天使の存在は知っておる」
 博士は静かに牧村の言葉に答えた。
「それはしっかりとな」
「そうか。それではだ」
「狙って来ることもある」
 今度ははっきりと答えてみせたのだった。
「じゃから。どのみち」
「戦わないとならないんだな」
「嫌か?」
「俺は戦いは好きじゃない」
 本音の言葉を続けていく。
「勝手気ままに生きていたいものだがな」
「そ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ