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木の葉芽吹きて大樹為す
双葉時代・共闘編<後編>
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は……」
「いいから」

 不安そうな目の弟妹達を見つめて薄く笑えば、諦めた様に二人して肩を落とした。
 そうしてから私は傷が癒えた足で大地を踏みしめて、向こうで一人腕を組んでいるマダラへと視線を合わせた。

「ありがとな、マダラ。お蔭で助かったよ」
「……借りを返しただけだ」

 取りつく島も無い返答に、軽く笑う。
 なんだかんだ言って、この黒髪長髪青年が素直でない事に私はようやく気付いたのだった。

「マダラって実はいい奴だな」
「はぁ!?」

 うんうんと一人で頷いていると、こいつ頭が可笑しいんじゃないだろうかと言わんばかりの目で睨まれていた。
 納得いかん。思った事を告げただけなのに。

「でも、もうちょっと弟君に向ける様な優しさを他の人にも向けた方がいいぞ。ただでさえお前は目付きが悪いからな」
「……余計なお世話だ」

 あ、なんか目に見えて苛々し出した。

「千手柱間」
「なんだ、うちはマダラ」

 返事をすれば、効果音が付きそうな物凄い眼差しで睨みつけられる。
 三つ巴の紋が浮かぶ写輪眼には、以前垣間見た様々な感情がごちゃごちゃと混ざり合っていて。

「――――オレは、貴様が大嫌いだ」

 そう言って立ち去ろうとする後姿に、敢えて朗らかな声を投げ掛ける。

「そうか。オレは大分お前の事が好きになって来たところだけどな」

 そう告げれば、離れた所で様子を伺っていた扉間から後で怒られてしまいました。

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