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木の葉芽吹きて大樹為す
双葉時代・共闘編<前編>
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と一緒にうちはの人達を守るんだ。あの尾獣の相手はオレがする」
「柱間!?」
「千手の頭領が何を言っているんだ?」

 いやあ、皆様仰っている事は尤もで。
 でも、あんまり心ないことを言わないで、あとそんな目で見ないで下さい。こう見えても心は繊細なんです。

「今逃げ出した所で、七尾がオレ達を見逃してくれるとは思えないからな。誰かがアイツの相手をして、他の者達に注意が向かない様にしなければいけない。そしてそれにはオレが最適だ」
「巫山戯るな! 何故千手の貴様が……!?」
「今はそんな事言い合っている場合じゃないだろ。それに、お前はうちはの頭領だ。だったら皆を守れ」

 憤るマダラの肩を軽く押して、一族の人達の方へと向かわせる。
 一歩前に出て、うちはの忍び達を背に私は呼気を整えた。

「元々そのつもりだったんだよ。そら、オレの術が大掛かりな事を知ってるだろ? あいつと戦うのであれば嫌でも大技を使わなきゃいけない。巻き込まれない様に、早くこの場から離脱してくれ――それが最善だ」

 懐に収めていた巾着から兵糧丸を一個取り出す。
 これ、一時的に体力を回復はしてくれるんだけど、物凄く不味いんだよなぁ……。
 奥歯で噛み砕く様に飲み込めば、苦味と同時に全身に活力が湧いてくる。一種のドーピングだ。

「千手の頭領の言う通りだよ、兄さん。急ごう、このままここにいても邪魔になるだけだ」
「イズナ! ――っく」

 弟君にやんわりとだが断固とした口調で諭されて、マダラが悔しそうな声を上げた様な気がした。
 背後では小隊を組んだうちはの忍び達が速やかにこの場から退散してくのが分かる。

 ――けれども、上空に到達した七尾の方は人間達が逃げていくのを待ってはくれない様だ。

 一見、羽の様にも見える翡翠色の尾を無造作に動かして、そのまま叩き潰そうとしてくる。
 そうはさせるもんか……!

「土遁・土流壁の術! ――木遁・樹界降誕!」

 空を飛ぶ相手に届く様に、天高くまで伸ばした土の壁を七尾の前後に発生させる。
 その土壁に樹界降誕で発生させた木遁に寄る巨木を這わせ、そのまま七尾の体へと絡み付かせる。

「悪いが他所に目移りさせる様な真似は出来ないんでね! 気が済むまでオレに付き合ってもらおうか!」

 七尾が苛立った様に咆哮を上げる。
 さて、最強のチャクラを持つ尾獣という存在に、今の私の力はどれだけ通じるのだろうか?

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