第六十話 最終その九
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「最も難しいことだ」
「そうだな。それは誰にも言える」
「まさにね」
そのことはだ。死神と目玉も話せた。彼等もその彼等を見て話す。
「己と全く同じものはな」
「何もかもが難しいからね」
「それではだ」
「僕達も勝とうか」
死神と目玉は同時に言った。
「他ならぬ自分自身にだ」
「そうしよう」
こう話してであった。彼等もであった。
闘いに向かう。そして魔神達も同じだった。
それぞれの自分自身にだ。向かってだ。闘いに入った。それぞれの闘いだった。
髑髏天使はその中でだ。彼自身にその巨大な剣を振るった。
右手に持っているその剣をだ。上から振り下ろす。巨大な刃が上から来る。大抵の相手ならこれで一気に両断されるものだった。
だがそれはだ。ならなかった。
もう一人の髑髏天使、鏡の彼はだ。その剣を受けた。そのうえで言うのだった。
「見事な攻撃だ」
「喋れたのか」
「貴様は俺だ」
そのだ。鏡の彼が言うのである。
「何もかもが同じなのだ」
「だから喋れるのだな」
「その通りだ」
また言う鏡だった。
「こうしてだ。喋ることもできる」
「俺自身である故にか」
「その通りだ。そしてだ」
「そしてか」
「貴様は俺に勝てるのだな」
髑髏天使への問いだった。その自分自身へのだ。
「それができるのだな」
「できると言えば信じないか」
「信じる、信じないの感情は俺にはない」
そうした意味では髑髏天使ではなかった。混沌の存在だった。
その混沌の存在がだ。彼に言うのだった。
「何もかもがだ」
「ないか」
「そうだ、ないのだ」
また言う影だった。
「だができるというのならだ」
「それならばか」
「見せてもらおう」
これが鏡の言葉だった。
「俺自身に勝てるのかどうかをな」
「では見せよう」
再びだった。髑髏天使はその両手の巨大な剣を振るった。
右に左にだ。縦横に振るう。しかしだった。
その剣はだ。全てだった。
影は防ぐ。彼の攻撃を全てだ。
防ぎ弾き返す。そうしてきたのだ。
そしてだ。影からもだった。
剣を振るう。それに対してはだ。
髑髏天使が防ぎ。攻防は逆だった。それを繰り返してだった。
互角の攻防を繰り返す。打ち合いは百合を超えた。
だがそれに終わらずだ。さらにだった。
二百、三百と続けられる。剣と剣が打ち合い銀の火花が弾け飛ぶ。だがだ。
その中でだ。髑髏天使はまた言った。
「まさに互角だな」
「何しろ貴様自身だからな」
「ならばか」
「そうだ。同じなのは強さだけではない」
「頭もか」
「貴様は今まで機転で勝ってきた」
そのこともだ。指摘されるのだった。
「そうだな」
「だと言えばか」
「その機転も通
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