第六十話 最終その六
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「自分のね」
「自分のペースでいっていって」
「それでいい成長をしていく」
「それでいいのね」
「そうすればいいから」
そうだと話す若奈だった。
「深刻に考える必要もないし焦る必要もないのよ」
「じゃあ私も」
未久もそうなのだとだ。自分で言ってだった。
そのうえでだ。若奈に対して話した。
「自分で自分のペースでそうなっていきます」
「そうしてね。未久ちゃんならね」
「私ならですか」
「ええ。きっと素敵な女の人になれるから」
「なれるように頑張ります」
「頑張ってね」
優しい微笑みで彼女に告げる若奈だった。
「それでずっと一緒にいましょう」
「姉妹になってですね」
「ええ。そうなってね」
そう話してであった。彼女達は四人で楽しく過ごしていた。その頃だ。
髑髏天使は遂にだ。闇が蠢き渦巻くその空間の中でだ。最後の神と対峙していた。
そこにはだ。闇そのものがあった。それこそがだった。
「私が最後の混沌の神だ」
「貴様がだな」
「そうだ。アザトース」
蠢く闇が名乗る。
「混沌の原初の神の一柱だ」
「その最後の神だな」
「我等は本来同じだった」
この神もだ。こう話すのだった。
「ヨグ=ソトホートやナイラーラトホテップと同じだ」
「そうなるな」
「そうだ。混沌の原初だ」
また話す神だった。
「それはもう知っているな」
「よくな。そしてだな」
「私もまた同じだ」
この神もまただ。そうなのだった。
「全てを混沌で覆う」
「そうするのが望みか」
「貴様の世界で望みと言うのか」
「違うというのか。それは」
「本能だ」
それだというのだ。神はだ。
「我々にはそうした感情はないのだからな」
「本能か」
「そうだ。本能だ」
また言う神だった。
「これは我々の本能なのだ」
「そうか。本能か」
「それによって世界を混沌に覆う」
そうすると話していく。
「もっとも。私が消えればそれも行われなくなる」
「その通りだ。残るは貴様だけだ」
今度は死神だった。彼が神に告げたのだ。
「貴様だけだ。残る混沌はな」
「そうだな。私だけだ」
「貴様との戦いが終われば混沌との戦いも終わる」
それ自体がだというのだ。
「わかったな。ではだ」
「戦うか」
「その為に来た」
死神の言葉は単刀直入だった。
「ここまでな」
「私も避けるつもりはない」
「戦いもか」
「貴様等を倒してこの世の全てを混沌に戻す」
神の言葉だった。
「そうさせてもらおう」
「そうするのだな」
「混沌は全てだ」
この神もだ。これまでの神と同じことを言葉に出す。
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