第六十話 最終その五
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そのことを話したうえでだ。さらにだった。
「いい成長をしていけばね」
「そういうこともわかっていくんですね」
「そうよ」
微笑んでだ。三人に話した。
「ただ。成長の仕方はそれぞれね」
「あれ?」
「やっぱりあれなの?」
妹達がここで姉に返す。
「いい成長をしていく」
「そうしないといけないのね」
「そうよ。いい成長をしていけば」
まさにだ。そうしていけばというのだ。
「そういうことがわかっていくの」
「全然成長しないってことはあるの?」
「そういうことは」
「それでも少しは成長していくけれど」
それでもだというのだ。しかしだった。
ここでもだ。彼女は三人に話すのだった。
「ただ。悪い成長もあるからね」
「碌でもない人間になる」
「つまりはそれ?」
「そういうことよね」
未久と二人の妹達が話す。そうだとだ。
「結構以上にね。碌でもない人間がいるけれど」
「そういう人間って何処にでもいるわよね」
「そうよね」
三人もだ。あらためて話した。
「ああした人間になっちゃいけないって思うよね」
「とんでもない人間っているから」
「最低の人間とかってね」
「そういう人間にならないことね」
そうした意味でだ。悪い成長はよくはないというのだ。
そんな話を続けていく。そしてだった。若奈は三人に笑顔で話した。
「三人共頑張ってね」
「わかりました」
「いい成長するからね」
「私達も」
「未久ちゃんだけじゃなくて」
妹達にもだ。話すのだった。
「若葉と若美もね」
「私達よね」
「やっぱり。私達も」
「当然よ。皆いい成長をしないと」
そのことをだ。妹達の名前を呼んで強調して話した。
「私もそうだしね」
「お姉ちゃんもなの」
「そうなるの?」
「よく言われたのよ。人間は一生成長するものだって」
これでいいというものではないというのだ。
「それこそ一生ね」
「死ぬまでなの」
「成長していくものなのね」
「そうよ。そういうものよ」
こう話すのだった。
「だから。私もまだまだ二十歳」
「大人も成長していくのね」
「大人になっても」
「だから。一生だから」
またこのことをだ。妹達に話した。
「それはわかっておいてね」
「ううん、長いのね」
「ずっとって」
「一生なのね」
「成長していくのって」
「別に焦らなくてもいいわよ」
妹達がその顔をうんざりとしたものになったのを見てだ。若奈はすぐに話した。
「特にね」
「じゃあゆっくりでもいいの?」
「そうなの?」
「自分のペースでいいの」
三人への言葉だ。
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