第五十九話 精神その二
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「そして混沌の世界に戻すのだ」
「そうしてくる」
こう話してだ。その神が向かうのだった。戦いの場に。
その頃髑髏天使達はだ。混沌の中を進んでいた。そうしてその中でだ。髑髏天使がである。魔神達に対してこんなことを尋ねるのだった。
「いよいよ二柱だが」
「その残る二柱の混沌の神がか」
「どういった存在なのかをか」
「知りたいのだな」
「そういうことだな」
「そうだ」
まさにその通りだとだ。髑髏天使は魔神達に答えた。
「アザトースとヨグソトホートだったな」
「そうだ、その二柱だ」
「その神々こそがだ」
「混沌の最後の神々」
「原初の三柱の神々の残る二柱だ」
「その連中がだ」
こうそれぞれ答える魔神達だった。そしてだ。
彼等の中でだ。キリムが言うのだった。
「その力はわかるわね」
「ナイアーラトホテップに匹敵するか」
「若しくはそれ以上か」
そこまでだというのである。
「それだけの力があるわね」
「あの神以上の力がか」
「ナイアーラトホテップには感情があったわ」
嘲笑を見せる。それが何よりの証拠だった。
「けれど残る二柱の神々にはね」
「それがないか」
「ええ、ないわ」
まさにそうだというのだ。
「そしてその分だけ原初に近いから」
「力も強いか」
「感情という余計なものがないだけに」
「余計にか」
「その力自体は強くなっているわ」
そうだというのである。
「それは覚悟しておくことね」
「そうか。強いか」
「そう、そういうことになるわ」
「話はわかった」
キリムの話をここまで聞いてだった。
髑髏天使は頷きだ。そのうえでだ。
あらためてだ。こう言うのだった。
「流石に最後ともなるとそうか」
「そうです。ただ問題はです」
「問題は?」
「どちらが先に来るかです」
百目の言葉だ。
「残る二柱のどちらが先に来るかです」
「両方一度はないか」
「それはないです」
一度に来ることはだ。百目はないと断言した。
「彼等の力はあまりにも強大です」
「その強大さ故にか」
「若し一度に両方が戦えばです」
「それでどうなる」
「彼等自身がお互いに滅んでしまうでしょう」
「強大な混沌の力が相互に影響してか」
「混沌がさらに混沌を生み」
そうしてだというのだ。
「何もかもをなくしてしまうのです」
「混沌さえもなくなるのか」
「混沌は混沌です」
ここでこう言う百目だった。
「無ではないのです」
「混沌は世界か」
「はい、混沌という世界です」
そうした意味でだ。混沌もまた世界だというのである。
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