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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#09 "abnormal"
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のチンピラでも居れば任せてしまう んだろうけどな。

「オイオイ、今度はなんだあ?何か玉が4つくらい繋がって…うお!入れちまったよ。一個、二個、三……」

「レヴィ……実況しなくていいから…」

「はあ……死にたいわ」

レヴィは何だか興味津々といった感じで、モニターを食い入るように見つめてるな。意外と詳しくないのか?

ロックは片手で顔を覆ったまま、何度かレヴィに話し掛けてる。全く聞き入れてもらってないが。

バラライカは時折リモコンを操作する以外は殆ど動かず、ソファに座ったままモニターを 観続けてる。

マフィア稼業ってのも中々大変なんだな。
俺は部屋の入り口付近で立ったままそんな事を考えていた。
レヴィは何だかはしゃいでバラライカのすぐ後ろまで寄っていったが、こういう時は近付いていいものなのかな。俺がバラライカの立場だったら、こんな自分の姿は見られたくないものだが。

「レヴィ、もう行こうよ。用件は伝えたんだから」

「ええ? いや、滅多に見れるもんじゃねえぜ」

ロックがレヴィの肩を後ろから押して強引に部屋から出そうとする。
レヴィは首を捻ってモニターを見ながら抗議している。確かに滅多に見れるもんじゃない。こんなバラライカの姿はな。

「ああ、そう言えば最近何処かの馬鹿が勝手に麻薬(ヤク)ばら撒いてるらしいのよ。何か情報あったら教えてちょうだいな。いい迷惑よ、本当に」

ソファから半身だけ出しながらバラライカが話し掛けてくる。
………本当に大丈夫か。目にいつもの鋭さが全くないぞ。

「ああ、何か聞いたら教えるよ。それはそうとして……無理はするなよ」

俺が"あの"バラライカにこんな言葉を投げ掛けるとはな。妙な感慨にも似た気持ちを抱えながら、俺は執務室を後にした。
見送ってくれたのは勿論モニターの中で活躍している男女の大きな声だけだったが………









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