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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#09 "abnormal"
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「レヴィを俺の店で使うなあ、俺だけじゃねえ。皆の悲願ってやつさ。簡単にゃあ諦めらんねえよ。
それにダッチの胃に穴なんぞ開くもんかい。ベニーあたりの頭に穴が開くってんなら納得もするけどな。
ああ、酒に関しちゃ助かったぜ。最近また税率が上がりやがったもんでよ。またよろしく頼むぜ。
ん?今思ったんだけどよ。アンタとレヴィのコンビでShowやるってな、どうよ?
ギャラは弾むぜえ。いや、意外とアンタみてえなタフな野郎がやられるってのもアリはアリなんだよ。レヴィも相手がアンタなら……あれ?これ良いアイディアじゃねえか?
なあ、どうよ? マジで説得してみちゃくれねえか? アンタのギャラに説得料上乗せしてやっても良いぜ?」
ローワンさんは身を乗り出すようにして、今度はゼロを勧誘し出した。何ていうかパワフルな人だ。
しかしどうでもいいんだけど、割りと細身の身体にデカいアフロ。薄いサングラスに派手な原色のスーツ。首もとには金のネックレスして、両手の指には指輪がきらきら。履いてるのが踵の高い金色のブーツ。まるで冗談としか思えないようなこの出で立ちはワザとなんだろうか。分かりやすいくらいに怪しい外人の格好だよなあ。
「誘ってもらって光栄だが、生憎痛みには弱い
性質
(
たち
)
でな。悪いが辞退させてもらうよ。レヴィの説得は尚更勘弁だな。先日ちょっとした事で怒らせて、一発撃たれてしまってな。今はほとぼりを冷ましてるんだ。色々と大変なんだよ」
それじゃあな、と告げてゼロは店を出ていこうとする。
俺も追いて出ていこうとしたら、漸くローワンさんが気付いたのか、俺に視線を向けながら訊ねてきた。
「ところで、ゼロ。そちらの兄さんはどこの誰さんよ? あんま見ねえ顔だな」
「ああ、最近うちに入って来たんだ。仕事は主にレヴィのストレス解消だな。コイツ本人にストレスが溜まってるようなら、悪いが面倒みてやってくれ」
はあっ!
横でトンでもない事を言うゼロの顔に、音を立てるような勢いで顔を向ける。
な、何言うんだ、コイツ?
「そりゃ大変な仕事だな、兄さん。溜まったならいつでもうちに来な。ラグーン商会にゃあ世話になってる。いつでも歓迎だぜ。
おっ待てよ?
レヴィのストレス解消を担当してるって事は、兄さんからレヴィに頼んでもらうという手もあるか……どうだい、兄さん?上手く説得してくれりゃあ、うちの店の…」
「し、失礼します!」
まだ話し続けるローワンさんの声を振り切るように、走って店を飛び出した。
アイツの考えてる事は自分には分からない。改めて今日はそう思った………
Side レヴィ
「たくっ!ローワンの野郎はよ!
毎回毎回下らねえ事ダラダラ喋りやがって
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