第五十八話 嘲笑その十七
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「俺達の結論はまた違う」
「神の出した結論に反論するのか」
「神は常に正しいのか」
「だから神だ」
「そうだな。しかし神は一柱ではない」
唯一神の考えではなかった。彼はそうした考えはない。
それは魔神達も見てきたからだ。彼の中ではだ。
「神は無数にいる」
「私だけではないというか」
「実際に貴様の他にも混沌の神はいるな」
「それはその通りだ」
「ではだ。貴様が常に正しいのではない」
「では。私を倒すというのか」
「こうしてだ」
言いながらだ。再びだった。
剣で斬った。また上から両断だった。そしてだ。
死神もだ。その鎌を今度は斜め上に一閃させたのだ。
それで神を斬る。それを続ける。
その彼らに神が攻撃を続ける。しかしだった。
守りは万全だった。魔神達の守りはだ。
彼等だけでなく髑髏天使達も覆いだ。広範囲のバリアーになっていた。
それで守られつつだ。彼は攻撃を続ける。その中で百目が彼等に言う。
「確かに守ってはいます」
「しかしか」
「はい、何時までも守られるものではありません」
これが彼の言葉だった。
「残念ですが」
「では今のうちにか」
「はい、御願いします」
こう髑髏天使達に言うのである。
「倒して下さい」
「決められた時間か」
「しかもその時間は短い」
髑髏天使も死神も言う。
「そしてその時間が過ぎれば」
「その時はだな」
「そうだ。貴様等は敗れる」
そうなるとだ。神から話すのだった。
「私の力の前にだ」
「分の悪い話だ」
それはよくわかっていた。髑髏天使もだ。
だがそれでもだとだ。彼は言うのだった。
「だが。その分の悪い方に必ずだ」
「なるというのか」
「そうだ。なる」
絶対にという口調だった。
「それも見せよう」
「私もそうする」
「僕もね」
死神と目玉も髑髏天使に続く。
「行くぞ、この鎌で」
「君の魂。刈り取ってあげるからね」
こうしてだ。髑髏天使と死神、そして目玉は神に攻撃を続ける。神もそのバリアーを破らんとだ。黒い光と輝きのない虹で攻めたてる。
まさにどちらがより先に潰れるからだった。やがてだ。
バリアーに綻びが出た。それを見てだ。
神は嘲笑してだ。そうして言うのだった。
「いよいよだな」
「そうだな。確かにな」
ヤクシャが神のその嘲笑に答える。
「間も無くだ」
「その障壁は潰える」
神はこのことを指摘してみせる。
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