第五十八話 嘲笑その十二
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そしてだ。そのうえでこう彼に告げた。
「興味深い」
「そちらだというのか」
「そうだ。実に興味深い」
まただ。死神と目玉に対して告げるのだった。
「風で。私の光も闇も切るか」
「しかも何もかもをだ。完全にだ」
「護り方として面白い」
それもだ。実にという口調だった。
「私も攻め方を考えているのだがな」
「そしてさらに考えているな」
「その通りだと答えよう」
死神は静かに言う。
「そしてそれはだ」
「それはか」
「すぐだ」
神を見据えての言葉だった。
「今すぐにだ」
「ではどうするのだ」
「この言葉を知っているな」
死神は一呼吸置いてから述べた。
「攻防一体だ」
「その言葉か」
「そうだ。知っているな」
「知っている」
その通りだとだ。神も答えた。
そのうえでだ。死神に言うのであった。
「成程な。ではその風達をか」
「風だけではない」
それだけではないとだ。神はまた言った。
そのうえでだ。風の他にだ。
様々なものを出す。それは。
火もある。水もだ。
岩もあれば雷もある。氷も木の葉もだ。
あらゆるものを出してだ。そうしてだった。
神に対してだ。放ったのである。
それを見てだ。神はだ。冷静そのものの口調でこう話した。
「姿形が変わればだな」
「そうだ。力もまた変わる」
「髑髏天使とそこは同じか」
「同じだ。それはわかっていたな」
「わかっていた」
また冷静に述べる神だった。
「貴様が黒い姿になった時にな」
「そうだな。その時にな」
「それではだ」
どうするか。それも話す神だった。
そのうえだ。彼はだ。
また闇の光の翼を羽ばたかせた。それでだ。
その光で死神が出したあらゆるものをだった。
打ち消した。その光でだ。
「この光は全てを飲み込む」
「今の様にか」
「見ての通りだ。この光と虹の闇は絶対のものだ」
「貴様はそう見ているのだな」
「見ているのではない」
そうだと返す神だった。その話をしてであった。
神はまた出した。虹をだ。
今度の闇の虹はだ。影だった。神の影が髑髏天使達に迫る。
しかもそれは平面的にではない。立体的にだ。神を中心として混沌の世界全体にだ。虹が彼等を脅かし消そうとだ。そうしてきたのだ。
髑髏天使はだ。それを見て言った。
「これは先の神と同じだな」
「我が妻とだな」
「確かにな。ただしだ」
「この虹は酸よりも強い」
そうだというのである。
「比べものにならないまでにだ」
「そういうことだな。しかしだな」
「そうだ、あらゆるものを飲み込み消す」
それが神の虹だというのだ。闇の虹とだ。
「貴様らもだ」
「さて、どうしたものか」
逆さ男がその虹が迫るの
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