第八話 芳香その一
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えてその中に様々な具が煮立っていた。
「後は。何するのよ」
「雑炊にするつもりだけれど」
母は湯気を立てるその鍋を見ながら未久に答えた。
「今日はね」
「そうなの、雑炊なの」
「お父さん好きだから」
ここでちらりと自分の夫を見るのであった。
「それに最後の最後まで栄養を摂らないと駄目じゃない」
「そうよね、確かに」
「来期だって最近かなり身体動かしてるし」
母は最後に自分の向かい側にいる息子を見た。彼は今まで会話に入ることなく黙々と食べ続けていた。表情もいつもの無愛想なものである。
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