暁 〜小説投稿サイト〜
その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#08 "let\'s go to excursion!"
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
な。さすがに"あれ"と殺り合ったなんて噂だったら信じられんが。

張の旦那との噂なんて益々真実味がある。何せ"古い馴染み"だからな、あの二人は。話くらいはするだろう。どんな話かはともかくな。

「そう言えばダッチ? 仕事の話があるんだったか」

ベニーとの話を終えたか、再び振り向いて俺に訊ねてくるゼロ。
改めて思うが、俺はおもしれえ奴を仲間に持ったぜ。こんな奴とはそうお目にかかれんだろう。こんな"不思議"な奴とはな。

「ダッチ?」

「ああ、すまん。 仕事の話だったな」

ゼロが怪訝そうに聞いてくる。いかん。仕事の話をする時には集中せんとな。

「いくつか廻ってほしいところがある。ベニーに車で行ってもらおうかと思ってたんだが、な」

そこで一旦言葉を切ってソファーに横たわるベニーに目を遣る。
唸りながら横たわったままの姿は、いつものクールなベニー・ボーイとはあまりにかけ離れ過ぎている。これじゃあ全く使い物にならんな。

「車が必要というだけなら、俺が代わりに行くとしよう。ベニー、構わんだろう?」

ゼロが訊ねるが返事をする気力もないようだ。片手をヒラヒラと振り了承の意を示してくる。

「持ち主の許可は得た。じゃあ、そういう事で構わないか?」

「ああ、よろしく頼むぜ」

哀れなベニーから視線を外して、ゼロに行き先を書いたメモを渡す。
しかし、ベニーがこれでは今日の予定を練り直す必要があるな。
毛の無い頭を撫でながらそんな事を考えていれば、事務所の出口付近でゼロが振り返って訊ねてきた。

「ダッチ、今日はもう仕事にならんだろう。レヴィとロックを借りてもいいか?」

レヴィとロックを連れていく?

「そりゃ構わんが、何か考えがあるのか?」

コイツが意味もなくそんな事を提案してくるとも思えんが………

「なに、悩める青年に少し手助けをしてやろうかと思ってな。アンタにばかり苦労を掛けさせるのも忍びないんでな」

悩める青年?ロックの事か。最近(ふさ)ぎ込んではいたようだが。

「まあ、俺が楽を出来るなら文句を言う筋合いでもないな。良いぜ、お前に任せた。好きなようにやってくれ」

理解ある上司を持って俺は幸せ者だよ、ボス。
そう笑いながら言い残し、ゼロは部屋を出ていった。

ロック、か。
アイツも中々おもしれえ奴だからな。どういう選択をするか知らんが、良い方向に転がる事を願うぜ。
頼んだぜ、ゼロ。














Side レヴィ

「ふぁぁぁぁ、眠み………」

車の後部座席で大欠伸を一つ。ああ…まだ頭ぼんやりしてんな… そういやまだ今日は吸ってなかったっけ。え、と…火ぃは、と。

「ロック。レヴィに火を貸
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ