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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#08 "let\'s go to excursion!"
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な。さすがに"あれ"と殺り合ったなんて噂だったら信じられんが。
張の旦那との噂なんて益々真実味がある。何せ"古い馴染み"だからな、あの二人は。話くらいはするだろう。どんな話かはともかくな。
「そう言えばダッチ? 仕事の話があるんだったか」
ベニーとの話を終えたか、再び振り向いて俺に訊ねてくるゼロ。
改めて思うが、俺はおもしれえ奴を仲間に持ったぜ。こんな奴とはそうお目にかかれんだろう。こんな"不思議"な奴とはな。
「ダッチ?」
「ああ、すまん。 仕事の話だったな」
ゼロが怪訝そうに聞いてくる。いかん。仕事の話をする時には集中せんとな。
「いくつか廻ってほしいところがある。ベニーに車で行ってもらおうかと思ってたんだが、な」
そこで一旦言葉を切ってソファーに横たわるベニーに目を遣る。
唸りながら横たわったままの姿は、いつものクールなベニー・ボーイとはあまりにかけ離れ過ぎている。これじゃあ全く使い物にならんな。
「車が必要というだけなら、俺が代わりに行くとしよう。ベニー、構わんだろう?」
ゼロが訊ねるが返事をする気力もないようだ。片手をヒラヒラと振り了承の意を示してくる。
「持ち主の許可は得た。じゃあ、そういう事で構わないか?」
「ああ、よろしく頼むぜ」
哀れなベニーから視線を外して、ゼロに行き先を書いたメモを渡す。
しかし、ベニーがこれでは今日の予定を練り直す必要があるな。
毛の無い頭を撫でながらそんな事を考えていれば、事務所の出口付近でゼロが振り返って訊ねてきた。
「ダッチ、今日はもう仕事にならんだろう。レヴィとロックを借りてもいいか?」
レヴィとロックを連れていく?
「そりゃ構わんが、何か考えがあるのか?」
コイツが意味もなくそんな事を提案してくるとも思えんが………
「なに、悩める青年に少し手助けをしてやろうかと思ってな。アンタにばかり苦労を掛けさせるのも忍びないんでな」
悩める青年?ロックの事か。最近
鬱
(
ふさ
)
ぎ込んではいたようだが。
「まあ、俺が楽を出来るなら文句を言う筋合いでもないな。良いぜ、お前に任せた。好きなようにやってくれ」
理解ある上司を持って俺は幸せ者だよ、ボス。
そう笑いながら言い残し、ゼロは部屋を出ていった。
ロック、か。
アイツも中々おもしれえ奴だからな。どういう選択をするか知らんが、良い方向に転がる事を願うぜ。
頼んだぜ、ゼロ。
Side レヴィ
「ふぁぁぁぁ、眠み………」
車の後部座席で大欠伸を一つ。ああ…まだ頭ぼんやりしてんな… そういやまだ今日は吸ってなかったっけ。え、と…火ぃは、と。
「ロック。レヴィに火を貸
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