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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#07 "Philosopher passed un uneasy night "
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二挺拳銃《トゥーハンド》とも呼ばれる彼女。その名の通り二挺の銃を操る
ロアナプラ
(
この街
)
の有名人の一人。三白眼でいつも人を睨み付けて、やたらイライラしている。初めて会った時には殴られて、銃で撃たれたりもした。当たりこそしなかったけれど、あの時は本当に恐ろしかった。ああ、ここで死ぬんだなと思った。
その後に起きた『イエロー・フラッグ』での銃撃戦では、彼女が撃ち殺した死体と目が合って、吐いたりもした。
何の因果か"仲間"となって、一緒に働くようになってからも暫くはやっぱり恐ろしかった。
彼女は意外と面倒見がいい性格なのか、色々と俺に構ってくれたんだけど、正直俺はどうしていいか分からなかった。
日本人お得意の"建前"ってやつで、表面上は上手く振る舞えていた。少なくとも俺はそのつもりだ。
別にそれでいいと思っていた。
彼女が"悪党"であっても。
彼女が"人殺し"であったとしても。
そんな事は俺には関係ないと、そう思っていたんだ。
けど俺は見てしまったんだ。そして、思ってしまったんだ。
彼女が戦う姿を。戦う彼女はあまりにハマり過ぎてる、と。
海賊相手にたった独りで立ち向かう彼女。まるで銃弾の方から彼女を避けるようで、事実、傷一つ負わず海賊船団を独りで沈めてしまった彼女。
俺はただ見とれる事しか出来なかった。
その後、ロベルタとガルシア君の一件では庇ってももらった。彼女は俺を庇ったわけじゃないと言ったけど此方としては借りが出来た気分だ。まあ、借りなんて言い出したらどれだけ借りてるか分からないけど。
俺は彼女を映画やドラマの
女主人公
(
ヒロイン
)
のように思っていたんだろうな。
それも戦うヒロインってやつだ。男にただ救い出される事を待って、泣いてるだけの我儘娘なんかじゃない。自分の力で困難を打ち破る主人公だ。
能天気にもそんな事を考えていた。何も知らずに。彼女の事も、彼の事も何も知らずに………
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