第六十話 真の自由
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マサキの言葉に頷いた。
「ここから中に。そして行く先には」
「ヴォルクルスだな」
皆マサキのその言葉に無言で応えた。そして静かに洞窟の中に入っていくのであった。
洞窟はほんの一瞬のように感じられた。気付くと彼等は広い神殿の中にいた。
不思議と峻厳さは感じられなかった。そのかわりに中には禍々しい邪気に満ちていた。
「これがヴォルクルスの気かい」
ベッキーがそれを周りに感じながら呟いた。
「あんまりいいもんじゃないね。身体に纏わりつくみたいだ」
「それだけ邪悪だということでしょうね」
デメクサも珍しく真面目な顔になっていた。
「これだけの妖気は。拙僧も今まで感じたことはない」
ティアンもであった。普段の破天荒さは何処にもなかった。
「ヴォルクルス、一体どれだけ邪悪な存在なのか」
「ようこそ、シュウ様」
ここで低い男の声がした。
「お待ちしておりましたぞ」
長い法衣を着た波がかった髪の男が出て来た。まるで悪霊の様な外見である。
「久し振りですね、ルオゾール」
「ルオゾールだと」
ヤンロンがその名に反応する。
「ルオゾールって!?誰だそりゃ」
「おい甲児君、前聞かなかったか」
大介が甲児の言葉を聞いて呆れた声を出した。
「あれっ、そうだったっけ」
「ヴォルクルスに仕える神官だ。前マサキ君達から聞いていただろう」
「悪い、完全に忘れてた」
「やれやれ。全く」
「何か兄さん最近年寄り臭くなってきたね」
「まあね。何かと苦労が多くて」
そう言いながら苦笑をする。
「おかげで。ベガ軍団と戦っていた時より肩が凝るよ」
「そういう時はサロンパスだぜ、大介さん」
「甲児、あんたのせいでしょ」
「まあまあ」
「実はマリアちゃんもその肩凝りの一旦を担っていたりして」
「もう、ひかるさんたら」
ひかるの言葉に口を尖らせる。そう話している間にも話は動いていた。
「この者達ですな」
「ええ」
シュウはルオゾールの言葉に頷いていた。
「でははじめますか」
「はじめる・・・・・・一体何をだ」
ショウがそれを聞いて眉を顰めさせる。
「まさかねえ」
アスカの目に疑惑の光が宿る。
「邪神の復活なんて生け贄がつきものだし」
「何っ、それじゃあ」
「そうよ、トウジ」
「人違いだぞ」
「ゲッ、ドモンさんじゃない。どうしてこんなところに」
「今まで一緒にいたが。何故そんなに驚く」
「いや、ちょっとね。何か声がそっくりだったから」
「そうか」
「いやあ、間違えちゃった。御免なさい」
「アスカもせっかちやなあ」
「ってあんたがドモンさんと声が似てるからでしょ」
アスカはそれを聞いて噛み付いてきた。
「全く。何でこんなに声が似てる人ばかりなのよ」
「分かれる前
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