第六十話 真の自由
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サキはサフィーネのその言葉に呆れながらも返す。
「今回も小隊を組むんだからな、何訳のわかんねえこと言ってやがんだよ」
「仕方ないですわね」
「こっちだっておめえみてえな訳のわかんねえ女と組むのは引けるんだよ。けれどまあ何かと都合があってな」
「申し訳ありませんね、マサキ」
「へっ、よしてくれよ」
だがシュウの言葉には別の顔を見せた。
「おめえに謝られちゃ何かあるんじゃねえかって思っちまうからな。それだけは勘弁してくれよ」
「おやおや」
「それよりもな。ヴォルクルスを倒す策はあるんだろうな」
「勿論ですよ」
シュウは特に匂わすことなくこう答えた。
「さもなければ。ここまで来ませんよ」
「まあ信じさせてもらうぜ」
マサキは内心いぶかりながらもこう述べた。
「けれどよ、何かあった時はわかってるんだろうな」
「その時はどうぞ好きなようになさって下さい」
シュウはそう返した。
「もっともそんなことをして私にどういった利益があるか、ですが」
「御前だけはわからねえからな」
ここでマサキはその疑念を見せてきた。
「おめえはどうも信用できねえ。バルマーの時からな」
「また昔のことを持ち出しちゃって」
チカはそれを聞いて呟く。
「また何か企んでいるだろうかな、って思ってな」
「信用がないのですね」
「正直に言わせてもらうとな」
マサキはそれに応えた。
「まだ完全には信用できねえ。今度はどうするつもりだ」
「さて」
シュウはそれにはとぼけてみせた。
「少なくともヴォルクルスを倒すつもりはありますよ」
「信じていいんだな」
「信じていなければ貴方達はここには来なかった。違いますか」
「・・・・・・いや」
それは事実であった。心の何処かでシュウを信用していたからこそここまで来た。それもまた事実であった。
「着きましたよ」
「遂にかよ」
見れば目の前には一際巨大な黒い山がそびえ立っていた。
「ここです。ヴォルクルスがいるのは」
「ここか」
マサキはその山を見上げて大きく息を吐き出した。そして言った。
「こんなでけえ山ははじめて見るな。何て高さだ」
「ラ=ギアスで最も高い山でしょうね」
シュウがそれに答える。
「標高は。あのチョモランマ以上でしょうか」
「そこにヴォルクルスがいるんだな」
「そうです。では覚悟はいいですね」
「ああ」
マサキは頷いた。見れば三隻の戦艦からもうマシンが出ていた。そして戦闘態勢に入っていた。
「行きますよ」
シュウはそう言うと前に出た。そして山のある部分にネオ=グランゾンの右手で触れた。
「開きなさい」
その一言で山が開いた。そして大きな洞窟が顔を覗かせた。
「ここです」
「そこから入るんだな」
「はい」
シュウは
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