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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十五話 兄と妹(前編)
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「多分ね。確かなことはまだわからないけれど」
「けど。まだギガノスに」
「それは仕方ないわ。けれど生きていることは生きているみたいよ」
「はい」
「だから。気を落とさないようにね。生きていれば希望はあるから」
「ですね」
 その言葉に頷いた。
「私も。希望を持つことにします」
「ええ」
「これからも色々とあるでしょうけれど。頑張ります」
「そう、その意気」
 どうやらローザのリンダの心を励ます作戦は成功したようであった。それを感じ笑みを浮かべる。
「じゃあ格納庫に行きましょう。整備があるから」
「はい」
 リンダは笑顔で頷いた。
「あの悪ガキ共が痛めつけてくれたマシンの整備もあるしね。頑張るわよ」
「はい!」
 こうして二人は笑顔で格納庫に向かった。だがそうはいかない兄と妹もまたいた。
「・・・・・・・・・」
 スレイは一人アクシズの自室にいた。そして窓の向こうに映る星達を眺めていた。 
 そこに誰かが来た。薄茶色の髪に眼鏡をかけた美青年であった。軍服ではなく白い科学者の白衣と青い服を着ていた。
「そこにいたのか、スレイ」
「御兄様」
 スレイは彼女に気付き顔をそちらに向けた。彼女が兄と呼ぶこの男はフィリオ=プレスティという。アルテリオンとベガリオンの開発者でもある。かってはDCの科学者であったが今はネオ=ジオンにいるのだ。
「どうしたんだい、最近」
「いえ、何も」
 誤魔化そうとするが兄の目は誤魔化せなかった。
「アイビスのことかな」
「おわかりですか」
「当然だ。ロンド=ベルにいるんだね、今」
「ええ」
 やはり誤魔化せなかった。スレイはこくり、と頷いた。
「それで彼女と何かあったと」
「否定はしません」
 こうなっては認めるしかなかった。
「何か。彼女には勝てなくて」
「勝てない」
「DCのテストパイロットだった時は私は序列は一位でした。そして彼女は四位でした」
「うん」
「それなのに。今はどうしても勝てない。技術でも機体でも負けてはいない筈なのに」
「スレイ、アルテリオンとベガリオンの名前の由来は知っているかい」
「名前の由来?」
 スレイはその言葉に顔を上げた。
「そうだよ。アルテリオンとベガリオンはね、織姫と彦星なんだ」
 兄は妹の対してこう語った。
「だから。つがいなんだ」
「私とアイビスだ」
「御前も彼女もそうした意味では同じなんだ」
 彼はまた言った。
「アルテリオンとベガリオンは対立する関係にはないんだ。共にいてこその機体なんだ」
「しかし私とアイビスは」
「先程ミネバ様から御言葉があったよ」
「ミネバ様から」
「ああ。ネオ=ジオンに賛同できない者は去ってもいいと仰られている。もっとも実際に言っているのはハマーン=カーンだろうけれど
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