第五十五話 兄と妹(前編)
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ビルスーツ部隊はどうしているか」
「今はデラーズ中将の部隊と合流しておりますが」
「そうか」
「そのデラーズ中将から伝言です」
「何だ」
「貴殿等はそのまま地球降下作戦を実行されたし。防衛は我等が引き受ける、とのことです」
「つまり後ろは気にするなということか」
「おそらくは。如何されますか」
「デラーズ中将に伝えよ」
ハマーンはそれを聞いて言った。
「その申し出喜んで受けさせてもらうとな」
「わかりました。それでは」
「うむ、頼むぞ」
伝言を聞き終え返事を送るとハマーンはまたモニターに顔を戻した。
「降下作戦の戦力は予定通りだな」
「はい」
「マシュマー、グレミー、キャラ、イリアの各部隊はどうしているか」
「全て順調です」
艦橋にいる参謀達が報告を続ける。
「何れも降下可能です」
「よし」
「このグワダンも当然降下するのですね」
「そうでなくてはここにはいない」
ハマーンは不敵な笑みを浮かべてこう返した。
「ミネバ様もだ。わかっているな」
「ハッ」
「全軍北アフリカに降下する。予定通りな」
「そこには青の部隊がいましたな」
「そうだ。まずは彼等と合流する」
ハマーンの言葉は続く。
「そのうえでダカールを目指す。そこを占拠しジオンの大義を人類に再び知らしめすのだ。いいな」
「わかりました」
参謀達はそれに頷く。
「キュベレイも用意しておきます」
「うむ」
「強化人間部隊も」
「強化人間部隊か」
それを聞いたハマーンの赤紫の眉がピクリ、と動いた。
「あの者達は確かグレミーの部隊だったな」
「はい」
「それが何か」
「いや」
ハマーンはそこで考える顔になった。
「少しな。気になることがある」
「気になることが」
「近頃グレミーはラカンと色々と二人で話をしているそうだな」
「それはまあ」
「ラカンはグレミーの副官ですから」
「そういう問題ではない」
だがハマーンは問題はそこではないとした。
「といいますと」
「グレミーには注意しておけ」
「注意」
「そうだ。少しでもおかしなことがあれば私に報告しろ」
その声がさらに険しいものとなった。
「そしておかしなことがあれば」
「はい」
「消せ」
峻烈な声であった。反論を許さない凄みがそこにあった。
「よいな。消せ」
「・・・・・・わかりました」
参謀達は仮面の様に表情のない顔になった。そしてハマーンのその言葉に頷いた。
「我等はティターンズやギガノスと比べて兵力は少ない」
「はい」
「例え火星の継承者と協力していてもな。そもそも彼等も兵力には乏しい」
「そうでしたな」
「それで何かあればすぐに崩壊に繋がる。それを常に心に留めておけ」
「わかりました」
「全てはミネバ
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