第五十三話 甦った堕天使
[21/21]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
して次に備えよ」
「ハッ」
こうして話は終わった。ギャブレー達の話はである。話は別のところで続いていた。
「以上がオルドナ=ポセイダルからの報告です」
ヘルモーズの艦橋で一組の男女がいた。美しい顔立ちの少女が整った顔立ちの若者にそう報告していた。
「そうか」
そして若者がそれに頷いた。
「ヘビーメタル部隊の失態ですが」
「わかっているよ」
「ここまで失態続きですが。どうされますか」
「彼等は必死にやっている。そしてある程度の功績もあげてくれている」
若者はこう応えた。
「そんな彼等に何もするつもりはないが」
「ですが司令」
「ロゼ」
彼は少女の名を呼んだ。
「はい」
「あまり彼等を責めるべきじゃない。ロンド=ベルの強さは知っている筈だ」
「ですが」
「今はそれよりもムゲの戦力を向けることを考えよう。シャピロ=キーツだったか」
「はい」
「彼と三将軍にも頑張ってもらう。いいね」
「そのシャピロ=キーツですが」
「彼の経歴も気にはしない」
彼はそれも不問にした。
「我々は多民族国家だ。君もそうではないのか」
「しかし」
「しかしもこうしたもないよ。地球人だからといって我々と何ら変わりはない。それは覚えておいてくれ」
「わかりました」
「ではこのまま地球圏に向かう。目指すは地球だ」
「はっ」
「地球に着くまで暫く休みたい。私がいない間の指揮を頼むよ」
「わかりました。それではお任せ下さい」
「うん」
こうして彼は自室に下がった。後にはロゼと呼ばれた少女だけが残った。
「マーグ司令」
彼女は一人になったところで司令の名を呟いた。
「貴方は優し過ぎるわ。その優しさはバルマーにとっては邪魔なだけだというのに」
マーグが消えた方を見て呟く。だが彼女はすぐに自分の任務に戻った。
「全艦に告ぐ」
「ハッ」
周りに幕僚達が現われた。
「我が軍はこのまま地球に向かう。よいな」
「わかりました」
「前に立ちはだかる敵がいれば撃破せよ。一兵も逃すな」
「わかりました。それでは」
「うむ」
こうしてヘルモーズは地球に向かった。遂にバルマーが本格的に動きだしたのであった。
第五十三話 完
2005・11・13
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ