第五十三話 甦った堕天使
[20/21]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いたのは何よりだけれどよ」
「うむ」
「それで。何で俺達を助けたんだ?」
「バルマーを倒す為と言えばわかるか」
「バルマーを」
「そうだ。御前達のことはもう心配していないが」
彼は言った。
「バルマーは遂に人類に対して全面攻勢に出ることを決定したのだ」
「バルマーが」
「銀河で最大の勢力を誇る帝国がその全てを注ぎ込む。それがどういうことかわかるな」
「ああ」
「その証拠が今の女だ。そしてマーグ」
「兄さんが」
そこにはタケルもいた。兄の名を呼ばれ顔を向けた。
「彼もまた。バルマーにとっては切り札とも言える男だ」
「兄さんが」
「彼を指揮官として向けてきたということがその全面攻勢の証だ。おそらくはかってのラオデキア艦隊以上の戦力を持って来ているだろう」
「あの時以上のかよ」
「ならば。私も戦わなくてはならない」
そしてこう言った。
「そしてバルマーを止める。何としてもな」
「だから来たのか」
「そうだ。これから戦いはより激しさを増す」
「今よりも」
「御前達だけでは辛い時もあるだろう。その時にまた私は現れよう」
「俺達と一緒には行かないのか」
「今更それができるとは思っていない」
そう答えて笑った。
「前の戦いであれだけ干戈を交えたのだ。何を今更」
「気にすることなんてないけどよ」
「それでもだ。ではな」
そう言ってワープに入った。
「また会う。その時を楽しみにしている」
そう言い残して姿を消した。こうしてイングラムは何処かへ姿を消したのであった。
「教官」
「とりあえず生きていたのはわかったな」
「ああ」
リュウセイはライの言葉に頷いた。
「そして俺達の味方だ」
「そうだな」
「それがわかっただけでもいいぜ。それだけでもな」
それで満足であった。リュウセイにとっては彼が生きていて、そして味方でいるだけで。その他には何もいらなかった。
ロンド=ベルは再び集結して地球に進路を戻した。ネオ=ジオンと戦う為に。どれだけの敵がいようとも彼らは退くわけにはいかなかったのだ。
撤退したヘビーメタルとアルフィミィは雷王星付近にいた。そしてそこでバルマーの巨大戦艦ヘルモーズに収納されていた。ギャブレーはその一室にいた。
「また敗れたというのか」
「申し訳ありません」
そこには銀髪に銀の肌の女がいた。目は左右で色が違っていた。
「そして何の手柄もないし帰って来たと」
「はい」
ギャブレーはその女に対して申し訳なさそうに頭を垂れていた。
「マーグ様は心優しい方。しかしそれに甘えてはならぬ」
「はい」
「マーグ様が許されてもわらわは許さん。それは覚えておけ」
「ハッ」
「わかったならばよい」
彼女はそれで話を終わらせた。
「下がるがいい。そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ