第五十二話 狂気の魔装機
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ォーは動く。両腕がなくなろうともゼツは動いていた。
「クッ、まだ」
「ならあたしが!」
ミオも攻撃に入った。
「これでっ!」
突進する。ガッツォーの腹に拳を放った。
超振動拳であった。腹に直撃を受けさしものガッツォーも動きを止めた。だがそれでもゼツは生きていた。
「何も起こっておらぬのう、ヒョヒョヒョ」
「マジでいかれてやがるな」
宙も呆然としていた。
「何処までも。どうなっちまってるんだ」
「だがそれももう終わりだ」
そんな彼に竜馬が言った。
「終わりか」
「そうだ。あれを見てくれ」
そう言いながらゲッターで前を指差す。見ればロザリーが狙いを定めていた。
「先生の仇・・・・・・!」
その目は何かを見ていた。決して仇や憎しみを見る目ではなかった。
「今ここで・・・・・・!」
そしてリニアレールガンを放った。それで全てが終わった。
「ヒョッ!?」
一条の光がガッツォーを貫いた。ゼツの顔が止まった。
「何が起こったんじゃ?」
「御前が終わっちまったんだよ」
マサキは彼に対して言った。
「何もかも。成仏しやがれ」
「何を言っておるのじゃ」
彼だけがわかっていなかった。
「わしが終わる筈が。ヒョッ!?」
だがここで気がついた。
「何じゃこれは。赤いものが」
見れば彼は血に染まっていた。先程のロザリーの攻撃で彼自身も傷ついていたのだ。
「これは何じゃ!?ふむ、鉄の味がするのう」
「駄目だ」
皆それを見て首を横に振った。
「どうしようもない」
「ああ」
「ん!?何かわしの身体があちこち爆発しておるのう。これは一体」
既にガッツォーのあちこちから爆発が起こっていた。そしてもうそれは止まらなかった。
「どうなっておるのじゃ!?おお、これは花火か」
最早自分の見ているものすらわかってはいなかった。
「わしの復讐がなったことを祝う花火じゃな。おお、有り難い」
「あんなのになっちまっても復讐は忘れねえのか」
「何という奴だ」
「花火じゃ。祝え、祝おう」
彼は爆発の中で悦に耽っていた。
「わしの復讐を。そしてわしの世界がやって来たのを」
それが最後であった。遂にガッツォーは爆発し何もかもが消えた。こうしてゼツは消えてしまった。
「終わったな」
「ああ」
ロンド=ベルの面々は爆発し、消えていくガッツォーとその中にいるゼツを見送りながら言った。彼等はこれで一つの戦いが終わったことを実感していた。
「ロザリー」
「うん」
声をかけられたロザリーは静かに頷いた。そして言った。
「先生、仇はとったよ。そして」
前を見た。
「さようなら」
その目からは涙が溢れ出ていた。今彼女にとってかけがえのない者が自分の前から永遠に去ってしまったのだと
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