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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十二話 狂気の魔装機
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がなくなったとな」
「でしょうね」
「それでラングランも俺達も滅ぼすってか。冗談じゃねえぜ」
「冗談じゃなくて本当のことよ」
 いきり立つマサキに対してシモーヌが言った。
「何が出ても。驚くんじゃないよ」
「ああ」
 シモーヌに言われては落ち着くしかなかった。マサキはとりあえずは落ち着いた。
「皆、もうすぐだ」
 万丈の通信が入ってきた。
「来るぞ、彼が」
「来るか、いよいよ」
「ゼツ」
 ロザリーの目が憎悪に光った。
「シュメル先生を。まさか」
「待つのだ」
 だがそんな彼女にジノが声をかけてきた。
「落ち着くんだ」
「ジノさん」
「いいな。何があっても」
「は、はい」
 兄弟子に言われては頷くしかなかった。ロザリーは少し落ち着きを取り戻した。
「だが。何があっても覚悟はできているな」
「ええ、それは」
「ならいい。もうすぐだ」
 彼はそう言いながら前を見据えた。
「来るぞ」
「はい」
 ロンド=ベルの前に何かが姿を現わした。それは巨大な、まがまがしい形の魔装機であった。
「ヒョヒョヒョヒョヒョヒョ」
 そこから不気味な笑い声が聞こえてきた。狂気を露わにした笑みであった。
「きやがったな」
 マサキがその笑い声を聞いて言った。
「ゼツ、それが貴様の最後の切り札ってわけか」
「切り札?はて、これはわし自身じゃ」
「!?」
 皆その言葉を聞いて眉を顰めさせた。
「おい、今何て」
「聞こえんかったか?これはわし自身じゃと言っておるのじゃ」
「何を言っているんだ?」
「俺達を馬鹿にしてるんじゃねえのか?」
「ヒョヒョヒョ、わしの前に敵はおらぬ」
「まさか」
 彼等はその声を聞いて疑惑を確信に深めていった。
「ゼツ、手前」
「わしはこの力さえあれば他には何もいらぬ。このガッツォーさえあればな」
「そのガッツォーで何をするつもりなの、ゼツ=ラアス=ブラギオ」
 ウェンディが彼に対して問うた。
「そのガッツォーで」
「ぬ、御主は誰じゃ?」
「えっ!?」
 ウェンディはその返事を聞いて呆然となった。それはもう返事ではなかった。
「ゼツ、貴方まさか」
「わしは御主みたいな女は知らぬぞ。何処の馬の骨じゃ」
「やっぱりな」
 万丈がそこまで見ていて頷いた。
「駄目だ。もう彼は完全に狂っている。何を言っても駄目だ」
「狂って」
「ああ。あそこまでいくと。もうどうしようもない」
「ゼツ、それあ手前の末路なのかよ」
「末路だああだと妙なことを言うのう」
 マサキに対しても何もかもが定まらない声で返す。
「若僧が。年寄りは敬わなければならんのじゃぞ」
「そうだな」
 マサキはとりあえずはそれに頷いてみせた。
「手前にはもう言うことはねえ。ここで引導を渡してや
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