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木の葉芽吹きて大樹為す
双葉時代・発足編<中編>
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せば「いいって事よ」と、何とも男前な返事が返って来た。
 格好いいぜ、犬塚殿! それだから好きさ!!

「丁度いい具合に、とっても難しい任務が入っているんです。まず間違いなく、油女の索敵感知に犬塚の探査能力、奈良家の捕縛術に山中の尋問技術。そうして得られた情報を纏めるだけの志村殿の経験に、敵を圧倒させる秋道殿の倍化の術。最後に特攻頭のオレと猿飛殿を必要とする様な任務がね」

 やってみませんか?
 そう言って今回の任務内容について記された巻物を振ってみせれば、それぞれの表情を浮かべながらも、皆さんは書類を受け取ってくれた。

 猿飛殿は大きな溜め息を吐きながら。
 秋道殿は穏やかに微笑みながら。 
 油女殿は普段通りの無表情で。
 志村殿は呆れ返りながら。
 奈良殿は面倒臭そうに。
 犬塚殿は愉快そうに。
 山中殿は慎重に。

 ――後は彼らがこの試行を受け入れてくれるかどうかだ。 



 私は非常に良い気持ちで帰り道を歩いていた。
 様々な物議を醸したものの、私の提案は結局の所受け入れてもらえたのだ。
 それぞれの準備を整えた三日後に、私達各一族の頭領達は今後の見本とするための合同任務に携わる事となった。

「――――お願いです! お花を買って下さい!!」

 上機嫌で道を闊歩していた私の耳に、切実な響きを宿した幼い子供の声が届く。

 声の聞こえた先へと視線を移してみれば、背の高い黒髪の青年に向かって、縋る様に花を差し出している少女の姿があった。
 青年の方は邪険に扱っているが、それもそうだろう。彼女が差し出している花は確かに見事なものであるが、男性で花を買う者は少ないだろうしね。

 ――……言い換えればそれは、それだけその少女が切羽詰まっていると言う証拠でもある。

「お願いです、どうか……!」
「――……不要だと言ったのが聞こえなかったのか?」

 取りつく島も無いとはこういう事か。
 そう思わせる冷たい声が響いたと共に、青年の手が少女を払いのける。
 あー、もう。

「……大丈夫か?」

 振り払われてよろめいた少女の肩を支えて、上から少女を覗き込む。
 少女の目が驚きで丸くなる。次いで、少女の頬が真っ赤に染まった。

「だ、大丈夫です! すみません!!」

 花を持ったままぺこぺこと頭を下げる少女。いや、髪を振り乱すほど謝られてもね……。

「あのね、君が結構切羽詰まっているのはわかるんだけどね、いくらなんでも押し売りはいけないと思うよ」
「わかってます……! でも、今日までにお花を買ってもらわないと……!」

 噛み締められた唇。
 その唇にそっと指先を当てると、驚いたように少女が私を見上げた。

「そんなわけだから御嬢さん。是非と
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