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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第十二話 ルシアとカナの想いとギルダーツという男
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係性は変わらずにいるし、俺はこの男に再戦を申し出るほどあの時の差が埋まったとは思ってもない。だからより強くなるため依頼はほぼ討伐系の依頼しか受けていない。戦闘を経験するたびに自身が成長しているのを実感しギルダーツとの実力差を実感している。ギルドのバーで酒を飲みながら物思いに耽ってると俺の真横に誰かが座る気配がした。





「なーに黄昏ちゃってんのよ。ルシア」

 突然ギルドのバーカウンターに堂々とお酒を置き、俺の隣にカナが座った。別に黄昏ていたわけではないが。というより堂々と未成年が酒を置くな。

「カナか……まだ十三なんだ、酒はほどほどにしとけよ?」

「ルシアに言われたくないわ。んで?考え事?」

 ……俺のせいだな。こればかりは反省している。十三歳のときにすでに飲酒していた俺が言っても何の説得力もないからな。酒の注意はこれ以上聞きたくないのか早々に俺への話題にシフトしていた。

「いや、考え事というより回想だな。ボコボコにされたときの」

「あぁ、ギルダーツにやられたときのことね。あの時のルシアは身体もボロボロだったけど、それ以上に精神的にボロボロだったもんね。あの弱ったときのルシアは可愛かったわ」

 このむず痒さは女性にはわからないかもしれないが、男からすれば可愛いというのは褒め言葉でも何でもない。嫌というわけでもないのだが、あまり嬉しさは感じられない。年上の美人なら話を変わってくるが。

「十三歳のガキに言われてもな。そういうセリフはもっと成長してから言うもんだ」

「別に思ったことだからいいじゃん。どーせルシアはボン、キュ、ボンの女の人が好きなんでしょ? だったら数年後思い知ることになるわね!」

 俺はカナの平坦ともいえる絶壁を残念そうな眼で見つめ、やれやれといった仕草だけで返答をした。何らかの突然変異でも起きないかぎりは絶望的だろう。

「何よっ! その哀れみの篭った目は!絶対後悔させてやるんだから。あと五年、いや三年もすれば凄いことになるわ。ルシアの視線を独占ね!」

「きっと、が抜けているぞ」

「抜けてていいのよっ!」

 鬱憤を晴らすためか、酒の進みが早くなっている。調子に乗ってカナをイジリすぎたか。俺の悪いクセだ。これからは自重しよう……たぶん。

「それで、昔の事なんか思い出してどうしたの」

 少しの静寂のあと、先ほどまでのおちゃらけた雰囲気は消えカナが心配そうに俺に改めて質問してきた。少しの間の静寂とカナの雰囲気でここまで空気を一変させることができるカナは凄いなと思いつつこの問いに素直に答えることにした。

「……より強くなるためにあの忌々しい戦闘を思い出して自分の糧にしてただけだ」

「そっか……でもルシアはすぐS級になれちゃうかもね。
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