第10話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
状況報告以外に連絡もなく魔術師からの襲撃もなかったので、麻生はようやく元の生活に戻ったか?、と思った時麻生の携帯の電話が鳴り響く。
学生寮を出て歩きながら画面を見ると初春の名前が映っていた。
麻生はまた面倒な事が起こると思ったが出ない訳にはいかず着信ボタンを押す。
「麻生さん・・・・」
元気な声で名前を呼ばれるかと思ったが以外にも初春の声は小さく元気がなかった。
「どうした、元気がないぞ。」
「佐天さんが倒れました。」
「・・・・・」
麻生は驚くわけでもなく初春の言葉を聞いていた。
佐天が「幻想御手」に手を出しそれの影響で昏睡状態になったと報告を聞く。
「麻生さん、佐天さんは欠陥品なんかじゃないですよね?」
あの電話の時に佐天にはああ言ったが、その答えを誰かに聞きたかったのだ。
そして、麻生なら良い答えが返ってくると思ったが麻生の口から返ってきた言葉は初春が思っていた言葉と逆だった。
「そうだな、欠陥品だ。」
「!?・・どうしてそんなこと言えるんですか!!!!」
周りの視線を気にせず電話越しに声を荒げて麻生に伝える。
麻生は最後まで聞けと初春を落ち着かせる。
「初めに言っておく、完璧な人間なんてこの世の中には存在しない。」
「えっ・・・」
「誰しも人間は人それぞれだがどこか欠陥している。
それは俺もそうだし美琴も白井もお前もどこか欠陥している。
たまたま佐天は能力のレベルが0という事実が、その佐天の欠陥している所なんだろう。
というより能力のレベル何てなものは自身の努力で幾らでも上がるものだ。
だが、佐天が努力してレベルが上がってもまた佐天のどこか欠陥が出来る。
人間はその欠陥を埋めようとしても、またどこか欠陥してしまう者なんだよ。」
麻生の答えは難しく初春はその意味をうまく理解できないでいる。
それを見透かしたように麻生は大きくため息を吐く。
「簡単に言うと佐天が欠陥品だ。
だが、それは人間である限り仕方がない事だ。
こういう俺もどこか欠品しているしな。
いいか、初春。
大切なのは自分を信じる事だ。
例え、周りがどんなに自分の事を無能だの欠陥品だの言われても自分を信じ続けろ。
自分で自分を信じられなくなった時こそ、本当の欠陥品になってしまうのだからな。」
簡単に言われても完璧に意味を掴めることはできなかった。
それでも麻生の言葉を聞いて初春の気持ちは軽くなった気がした。
「ありがとうございます!!!
私、佐天さんや他の人の目を覚ませるように頑張ります!!」
「ああ、それじゃあ切る「それと・・・」・・まだ何かあるのか?」
「麻生さんも手伝ってはもらえませんか?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ