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故郷は青き星
第九話
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母さんに聞いてきます」
「ダメェェェっ! そんな事したら父さん絶滅危惧種に指定されちゃう!」
「危惧では済みませんよ危惧では! この手を離して下さい」
「死ぬと分かっていて離す馬鹿がいるか!」
 などと激しい押し問答の末に疲れ果てて、肩で息するエルシャンとポアーチ。

「……わかった。もう文句は言わない。だから協力するから少しは父さんに相談しなさい」
「……うん、いいよ」
「それで相手はどんな人なんだ?」
「どんなって言っても、凄い綺麗な人だったよ」
「ほう美人か、エルシャンは面食いか。でもまだ相手の子も初等教育過程だろ綺麗って言うより可愛いじゃないのか?」
「学校の生徒じゃないよ。多分20歳くらいの長い黒毛の女性だよ」
「…………やるな。とんだヘタレ野郎かと思えば、流石は俺の息子。とんだ隠し球を使うじゃないか」
 どうでも良いのだが、この時エルシャンは地球の野球のように隠し球を使う球技がフルント星にも存在する事をはじめて知った。
「じゃあ女教師か、少年と女教師。何かぐっとくる設定だな……本当にまだ9歳か? 父さん本気で見直したぞ。良くやった!」
「初めて見る顔だったので先生なのかどうかも分からないんだけど……反対とかしないの?」
「何で?」
「いや、だって……今でも時々、本当かどうか怪しいと思うだけど家って名門氏族の家柄なんでしょう?」
「それは疑うなよ!」
「だったら、たとえば結婚相手は親が決めるとか?」
「け、結婚ね。へぇ〜、もう結婚まで考えてるんだ。お父さんびっくりだな〜」
「い、いえいえ、そんなことまでは考えていませんよ。例えです例え!」
 突然態度がおかしくなったポアーチだが、エルシャンも結婚の二文字に慌てて気付く余裕は無い。
 かつて経験した事のない強い恋愛感情にうろたえて、相手に名前を聞く事すら緊張を強いられる今のエルシャンには、結婚はワープしてもたどり着けない遙か宇宙の彼方の事柄だった。

「ま、まあエルシャンがきちんとお付き合いした上で、結婚したいというなら反対しないぞ」
「えっ?」
「いや、だから反対しないって」
「だって年が離れているし、そういうのは気にしないの?」
「別にお前が15になって結婚するとして、相手だって25くらいだろ。まだまだ子供なんて産めるだろ」
「こ、子供ってまだそこまで具体的に……」
 顔を赤くする純情な面を見せるエルシャンだが、中身は前世で三十まで齢を重ねた男で、しかも赤ちゃんプレイや幼児プレイを是とする変態である事を忘れてはいけない。
「大体さ、年の差云々を気にするほど、初恋が上手く行くなんて思ってないし、その相手が独身とも限らないのに本気で心配するはず無いだろ」
 照れまくるエルシャンに、あまりにぶっちゃけた言葉を投げるポアーチ。初めての家庭内
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