暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第九話 初依頼とカナ・アルベローナ
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。魔導士ギルドに所属しているとはいえ女の子だからな、傷跡が残るのは嫌なのだろう。その間俺は新聞を手に取りながら今回の事件について読んでいたり、美味しいご飯をいただいたりとゆっくりさせてもらった。

 報酬も本来は50万Jだったのだが、闇ギルドや検束魔導士そしてワインを完璧な状態で取り戻してくれたということで250万Jの大金を報酬として渡してくれた。自然と顔がにやけてしまったのは仕方のないことだろう。カナの顔もだらけきっている。

 そして今俺とカナはギルドへ帰るための馬車の中にいる。これはブランクが用意してくれたものだ。馬車内にはお土産用のワインも積んであり致せり尽くせりだ。フェアリーテイルの大人勢にどうぞと言われたが、半分は俺が飲む予定だ。ブランドが付く程のワイン。楽しみでしょうがない。俺がワインの味に期待を膨らませていると

「ルシアごめん。最後に迷惑かけちゃって」

 カナが暗い表情を浮かべながら俺に謝ってきた。恐らく最後とはギルドマスターに捕らわれたときのことを言っているのだろう。しかしあれは仕方がないことだった。俺も気を抜いていた。なにより

「マカロフが言ってたぜ。フェアリーテイルのギルドの仲間は家族でもあると。家族に迷惑をかけるなんて当たり前のことだろ? それに迷惑とは思わないしな」

「……そっか。ありがとね、ルシア」

 カナはそっと俺の腕に寄りかかり嬉しそうにに目を閉じた。そう、迷惑なんて思わない。家族にかけられた迷惑なんて迷惑とは感じない。家族にほっとかれるよりはずっと良い。俺は昔自分が想っていたことを少しだけ思い出した。家に帰っても誰も居ず、一人寂しくご飯を食べていた。友人もいなかったあの頃の孤独な状況より苦労を共にしたほうがよっぽど嬉しい。

 馬車特有の馬の歩く音が鮮明に聞こえるほど車内は沈黙している。だがその沈黙は決して嫌なモノではなく、むしろ心地よいモノだった。

 それから数十分後、ガタッと急停止するかのように馬車が立ち止まった。窓を見るともうギルドはすぐ目の前なのだがここで下ろすのは不自然だ。もう少し近づいてくれても良さそうなものだが。馬車から降り窓からは見えなかった真正面には


「評議院の者です。ルシア・レアグローブとカナ・アルベローナだな。ギルド間抗争禁止条約違反により連行させてもらう」


 ギルド間抗争禁止条約とはギルド同士の抗争を禁止する条約。対象は正規ギルドだけでなく、闇ギルドも一応枠内に入るので、闇ギルドへの武力行使は評議院の意を受けた検束魔道士でなければ、理由に関係なく犯罪行為と見なされる。

 俺とカナは思いっきりこの条約に違反したというわけだ。カナが文句を言いだしそうになったが俺がすぐに消音のDB【サウンドキャンセラー】を発動し、一時的にカナの声を消
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