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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第九話 初依頼とカナ・アルベローナ
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のブランクの俺達への評価を上げてもらう必要がある。そうでないと情報をそんな簡単に渡してくれるはずがないからな、例え依頼した側だとはいえ。

「それで、依頼というのは希少な酒を取り戻して欲しいという依頼だったが」

「えぇ、実はこの屋敷にあるお酒を盗まれてしまいましてね」

「そいつほどの実力者がいるというのにか?」

 俺はブランクの傍らに佇んでいる先ほどの執事を指差すと驚いた表情でこちらを見返してきた。まるで何故わかったと言わんばかりに。さっそく信頼を得るチャンスだな。

「そいつの佇まいだけでわかる。恐らく蹴りを主体とした戦闘を得意としているんだろう。足技主体で戦う者特有の筋肉のつき方をしている。魔法もそれなりにってところか。……どうだ?多少の不安は拭えたか?」

 これは商談ではない、ただフェアリーテイルの一員としてきちんと役割を果たせるかどうかで評価が決まる。ならば、不敵にそして堂々としていれば依頼者は安心を得ることができる。強さもしくは、観察眼があることを示せれば完璧だろう。そして今それを運よく達成できた。

「これは失礼しました。あなた方を見くびっていたようですね。しかしこれで私も安心だ。では、さっそくで申し訳ないのですが依頼についての詳細をお話いたします」


 話を纏めるとこのブランクという人物は醸造酒を作っており、特にこの人が作るワインはかなりの人気があるらしい。所謂ブランド品。
 そしてこの屋敷に盗賊が十名ほど侵入してきた。その内八名はここの優秀な使用人達で捕らえることに成功したが残り二人を取り逃し、希少なお酒を一本その二人が盗んでいったということだ。その八名を尋問しているが、中々情報を掴めないという。

 理由は特殊な魔法具によるもの。ある情報を捕らえられた人間が話そうとすると強力な痛みを与えられ強制的に気絶してしまうらしく、きちんとした解除法がなければ取り外すこともできないため難航しているとのこと。

 そして今俺達はその盗賊が捕らえられた部屋に案内されている。この家、いや屋敷が広いため少しその部屋まで時間が掛かるようだ。その道中カナは依頼人のブランクに疑問に思っていたことを質問していた。

「でもその盗まれたお酒って相当高く売れるんでしょう? 厳重に保管してたってことよね? だとすると、元々この屋敷内の情報が筒抜けだったんじゃない?」

 なるほど、さすが十歳とはいえ、ギルドの先輩だ。確かにその通りだ。だとすると内部に裏切り者がいる可能性もあるということか。

「……いえ、厳重には保管はされてなかったのですよ。実はその盗まれたお酒、ワインというのは売っても大した金額にはなりません。せいぜい五万〜十万と言ったところでしょうか」

「え? 確かにワインにしては高いと思うけど、わ
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