第3章 白き浮遊島(うきしま)
第23話 ルイズに王命?
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エスコート役が馬車の傍に存在しない現状なら、馬車の中から王女をエスコートすべき人物が現れたとしても不思議では無いですか。
そんな俺の想像通りに、その馬車の中から現れたオジサンが、そのまま馬車の横に留まり、続いて登場した王女様の手を取る。
同時に、学院生徒達から歓声が上がった。
成るほど。少なくとも、このトリステイン王家と言うのは、貴族に不人気な王家と言う訳では無いようです。ここで発生している王女に対する雰囲気は、惰性や追従に満ちた陰気に属する物では無く、むしろ陽の気に分類される物。
但し、為政者に対して向けられる物と言うよりは、アイドルか何かに対して向けられるそれに似ているのは間違いないのですが……。
もっとも、昨今の何処かの国の政治家も似たような物ですか。選挙が人気投票の代わりのようになって……。
おっと、これはまったく意味の無い思考ですし、さっき、反骨を気取って居るみたいに見えるだけだと反省したばかりでしたか。
ここも素直に反省です。
王女がにっこりとあでやかに微笑んでから、優雅にその繊手を学院生徒達に向かって振った。
尚、ここからでは少し遠いので、シルフを起動させ、遠くの物体を見えるようにする俺。矢張り、少しは興味と言う物も有りますからね。魔法の国の御姫様、と言う存在に関しては。
その一瞬後、輪郭や、姿形程度しか判らなかった王女さまの顔の造作や、服装の細かな点などが確認出来るようになった。
………………。
ふむ、成るほど。流石に一国のお姫様。着ている物や、その身を飾りたてている装飾品の数々もかなりの値打ち物に見えますね。
先ず、あの王女様が本日御召しに成っているドレスは、アフタヌーン・ドレスと言う種類のドレスに分類されると思います。白を基調とした優雅で清楚な雰囲気の光沢のないシックな七分袖、膝丈のドレスです。後は、魔術師の証のローブは淡い紫。もしかすると、この世界でも紫は高貴な者を表す色なのかも知れませんか。そして、そのローブを止めるタイピンはサファイアなのでしょう。おそらくは王女の身分を示すティアラにも、同じような大粒のサファイアが使用されています。
……但し、サファイアの質なら、俺がタバサに最初に渡したサファイアだって負けないはずです。何故ならば、あれには、水の乙女が封じられていますから。
つまり、完全に魔力の籠められた宝石と言う事。見る人によっては、どんなに大金を積んだとして惜しくは無い種類の宝石に成っていますから。
もっとも、タバサ以外の人間が身に着けると、間違いなく不幸を引き寄せる呪いの宝石と成るのは確実なのですが……。本来の持ち主、タバサが認めた相手以外なら。
「あれがトリステインの王女? あたしの方が美人じゃないの」
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